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管理人のNaokiです。 東京在住、フリーランス(一人法人) 石油、FX、株のトレードをしながら、Web作成を行ってます メール:crudeoil123com◎yahoo.co.jp (◎を@に変えて下さい)

課税事業者が株の法人口座で短期トレードをすると消費税がアップする!

相場好きな知り合い社長A氏のお話です。A氏は小売業を営んでいるのですが一時期、筆者の影響で先物やCFDだけでなく、株のデイトレに凝っておりまして、毎日のように株のデイトレを行ってました。そして決算のときに税理士に「社長!なんてことしてるんですか!」と叱られたとのこと。

消費税の課税事業者が、株の法人口座において株の短期売買を頻繁に行うと「課税売り上げ割合」が下がり、結果として納付すべき消費税額がアップするらしいのです。そんなの嘘だろ、と思ったらどうやら本当とのこと。

ここで詳しく説明されていますので課税事業を営む法人経営者で株のデイトレをやりたい人(そんな奴いないかw)はご一読をオススメします。社長だろうが何だろうが株のトレードは、本人の個人名義の特定口座で源泉徴収あり、にしておくのが一番楽ですね。

マネックス証券

日本の原油輸入量(国別、月次)

日本では原油が殆ど採れないため、ほぼ全量を輸入に頼っています。近年アメリカの原油生産量が増大していることや、アメリカのイランへの経済制裁により、日本の原油調達先に変化が出ているのではないかと考え、2016年1月以降の国別の原油輸入量のグラフを作成してみました。

日本の原油輸入量(国別、月次)

今さら語るまでもないのでしょうけど、サウジアラビアとアラブ首長国連邦からの輸入量が大半を占めています。アメリカからの輸入量はまだまだ低調です。現状ではメキシコ湾岸でVLCC(巨大な原油タンカー)に積み込んだ原油をパナマ運河経由で日本方面に運ぶのは高コストなのでしょう。と思ったのですが2018年6~10月の輸入単価を比較してみるとアメリカが54.46円/L、サウジアラビアが54.33円/L、アラブ首長国連邦が54.55円/Lとなっており、必ずしも価格競争力が無いわけではなさそうです。原油輸出インフラが整えば(特にアメリカ西海岸に輸出拠点ができれば)、アジア向け輸出量が増大する可能性は十分ありえそうです。

2018年5月8日にトランプ大領領が対イラン経済制裁を発表しました。原油関連は11/5以降から制裁されることになり、イランから原油を輸入している日本も困ったはずですが10月までの輸入量を見る限りは極端な影響は出ていないようです。イランは制裁前に安値売りをしたという話もあります。日本を含めた8カ国へのイラン産原油輸出は米政府が180日間の期限付きで容認したのであと半年は大丈夫と見るべきか、それとも?というところです。

財務省貿易統計(無料で輸出入のデータが取得できます)
輸入統計品目表(ここで調べたい品目のコードを調べます。原油は2709.00-900)
アメリカの原油及び石油製品の輸入量及び輸出量の推移
原油CFDを扱うCFD会社の比較。銘柄、手数料、スプレッドなどなど。

原油価格の下げ期間は、想像よりも遥かに長期化することがある

原油はどこまで下がるんでしょうか。それが分かれば苦労はしませんが、下落の時間軸を考えれば超大雑把な見通しは立てられるかもしれません。

原油価格が下げ始めると、想像よりも遥かに長期化することあります。下図は2008-2009年頃の金融危機時の原油下落の様子と、2014年後半以降の原油価格の下落の様子、そして2018年10月以降の原油下落の様子を重ね描きしたものです。縦軸は直近の天井価格を100として規格化してあります。横軸は直近の天井価格をつけてからの経過日数です(営業日ベースなので注意。ざっくり5日で1週間、20日で1ヶ月)。

原油価格の下落長期化の様子(金融危機時、2014-15年、2018-19年の比較)

金融危機のときは、そりゃあ1年くらい上がらなくても仕方ないだろうと思うわけですが、最近の例では2014年後半から2015年にかけての下落期間は半年以上に及びました。では最近の下落期間はどうかというと、直近の天井をつけたのが10月であってまた3ヶ月程度しか経っていません。日柄的にはまだ買いは怖いところだと思います。

次にWTI原油のフォワードカーブの変化を見てみましょう。フォワードカーブとは期限の短い先物価格を基準に先物価格との差を取ったものです。例えば最も期限が短い先物(CFDが参照してる価格、ETFの組成の基準となる価格)が50ドル、一ヶ月先の先物が51ドルであれば、順鞘の幅は1ドルということになります。

2018年9月から12月頃のWTI原油先物のフォワードカーブ

2018年9月頃まではWTI原油は逆鞘(バックワーディション)でしたが、10月以降は順鞘(コンタンゴ)が定着しています。逆鞘から順鞘への転換すると長期化する傾向があります。一番上に掲げた図ではまだまだ下げが継続しそうな雰囲気ですが、フォワードカーブ形状の点からも同様であると言えそうです。順鞘期にCFDの長期買い持ちは、毎月の価格調整額が支払いとなるため、これがどんどん積もっていくために損が拡大しやすいので要注意。ETFも同様で1699,1671の長期買い持ちは不利です。2038のようなレバレッジ型は更に不利なので短期トレード用として割り切って活用するのが良いと思います。CFDは売りもできるので反発時に少量売って粘りまくって価格調整額をしばらく頂き続けるという手もありそうです。

原油CFDを長期で買い持ちすると損をする。
原油CFDの鞘滑り取りでコンタンゴを収益化する
原油CFDの売買差金が爆益でも、価格調整額を合計したら大した利益にならないときがある
原油CFDを扱うCFD会社の比較。銘柄、手数料、スプレッドなどなど。

2018年11月の天然ガス暴騰の件

天然ガス生産量そのものはシェール革命によって順調に増加しています。このため天然ガス在庫はあまり材料視されずに、10月頃までは価格は低迷していたわけですが、11月に入ってからは過去10年来の低在庫だと騒ぎたてられて、いきなり天然ガス価格が急伸しました。下図は毎年10月~翌2月の天然ガス先物のチャートです(先物つなぎ足)。

天然ガスの10月から翌2月の価格変動の過去数年の比較

毎年トレードしてる身としては、11月頃の急騰は、けっこうあるあるパターンです。天然ガス消費量の季節パターンとしては夏場に少なくて冬場に多いという特徴があります。一方、在庫量は、春先から増加してゆき11月頃から消費量の増加に伴って在庫の取り崩しが顕著となり、年明けは概ね右肩下がりで在庫が減っていきます。下図はアメリカの天然ガス生産量、消費量、在庫量の推移です。消費のピークが1月頃、在庫のピークが11-12月頃という様子がよくわかると思います。また、生産量は概ね安定した右肩上がりということも分かると思います。

天然ガスの生産量、消費量、在庫量の推移

このため11~12月頃の在庫量が例年より少なく、なおかつ寒波が来たりすると、天然ガス価格が突如としてドカンと上昇することがあります。ちなみに筆者はEIA(米エネルギー省エネルギー情報局)週間在庫統計で天然ガス在庫をチェックしつつ、NOAA(アメリカ海洋大気庁)で気温予想(1ヶ月予想、3ヶ月予想がカラフルな色分け)を参考に張ってます。今回の急騰では上手に張れませんでしたが。。。難しい。

(2019/1/11追記)天然ガスの暴騰はヘッジファンドの踏み上げだった模様です。
(2019/2/3追記)ファンダメンタルズ的な季節傾向を利用した1-2月の天然ガスのトレードプラン

※EIAで生データを見るとWeekly Lower 48 States Natural Gas Working Underground Storageと書いてある欄です。”Lower 48 States”とは馴染みのない表現だと思いますが、ハワイを除く北米の米国エリアで、アラスカ州を除く全部の州という意味です(全部の州がアラスカより南にあるため)。
※EIAで生データを見ると、生産量はU.S. Natural Gas Gross Withdrawalsと表現されています。ガスを取り出すことをWithdrawalと表現します。銀行からお金を引き出すこともWithdrawal。

アメリカにおける天然ガス生産量、消費量、輸出量の推移
天然ガス在庫推移(グラフ)
天然ガス在庫量在庫はこちら。Excel形式で無料でダウンロード可。
注目すべき毎週発表される原油統計2つ
EIA週間統計:原油、ガソリン、中間留分の在庫推移(グラフ)
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アメリカにおける天然ガス生産量、消費量、輸出量の推移

アメリカでよく知られたシェールガスの産地はマーセラス(Marcellus)というエリアですが、半端な規模ではなく、ウェストバージニア州・オハイオ州・ニューヨーク州・ペンシルベニア州の四つの州にまたがる巨大なガス産地となっています。このほかイーグルフォード(Eagle ford)、バッケン(Bakken)などでもシェールガスが生産されており、米国全体での天然ガス生産量はここ10年で5割程度増加しています。
 しかしながら天然ガスを輸送するためには陸上であれば新規パイプラインの敷設が必要であり、国外輸出するためには液化設備が必要であることから一気にドカっと増やすことは困難でありまして、生産量の伸びに対する輸出量の伸びは緩やかなものになっています。日本にも米国産LNGが輸入されたニュースがありましたが、ヒューストンの横のサビーン海峡(Sabine Pass、ルイジアナ州)で充填したLNGをメキシコ湾から拡張パナマ運河(通行料が高い)経由で、日本まで運ぶのはどう考えても高コスト。安全保障上、友好国から購入するという点では良いでしょうが、当面はオーストラリア等から輸入したほうが安いでしょう。

天然ガスはエチレンプラントの出発材料としても使われるようになりましたが、消費量の推移を見る限りは冬場に突出して多く、夏場に少ない(つまり冬場の暖房用途が支配的)という状況のようです(下図の青線のように冬場にピークをつけます。夏の小さなピークは冷房ピーク時の発電用途だろうと考えられます)。

アメリカにおける天然ガス生産量、消費量、輸出量

つまり生産量が増えたけど輸出と消費はそれほど増えていないわけなので、NYMEXの天然ガス先物はかなり安い価格で推移しています。2018年11月に低在庫と寒波予報を材料に急騰しましたが、それでも高々4ドル程度であって、以前と比べればかなりの安値になっています。だけども3ドルから4ドルに一撃で上昇したためCFDで買い持ちしていた人はニッコリしてるかもしれませんね。

アメリカの天然ガス(LNG)輸出量が2017年以降伸びている
日本の液化天然ガス(LNG,Liquid Natural Gas)の年間輸入量推移と輸入単価
アメリカ天然ガス生産量の生データ(EIAで無料で月次データをダウンロードできます)
アメリカ天然ガス消費量の生データ(EIAで無料で月次データをダウンロードできます)
アメリカ天然ガス輸出量の生データ(EIAで無料で月次データをダウンロードできます)
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アメリカの原油及び石油製品の輸入量及び輸出量の推移

トランプ政権になってからアメリカのエネルギーの自立を目指しての具体的方策が多数なされてきました。オバマ政権で作られた規制を撤廃したりインフラの整備が進められてきました。下図は2000年~2018年のアメリカの原油輸入量の推移です(EIA週間統計による)。執筆時点における米国の2018年の原油輸入量は約800万バレル/日です。これに対して輸出量は約220万バレル/日となっており、このまま輸出量が増加していくと、いずれは輸出量が輸入量を上回り、純輸出国になる可能性があります。※EIA統計の生データでは千バレル/日となっているのでグラフの単位もそのようになっています。2000千バレル/日は、200万バレル/日と読み替えて下さい。

アメリカの原油の輸出量と輸入量の推移(2000~2018年)

下図はアメリカの石油製品の輸入量/輸出量の推移です。石油製品は2012年の時点で既に輸出量が輸入量を上回っており、近年ますます輸出量が増加する傾向にあります。

アメリカの石油製品の輸出量と輸入量の推移(2000~2018年)

筆者は原油先物や原油CFDを10年以上前からトレードしていますが、上述したようなアメリカ石油市場を取り巻く需給の構造的変化によって、過去の統計データからの経験則が使えずに手痛い目に遭うことが多くなってきました。例えば例年12月頃は、原油在庫に対する課税の問題からクッシング在庫が一時的に増加してWTI原油が弱含みやすい、という経験則があったのでそれを利用してトレードをすることができましたが昨年はけっこう苦戦しました。下図はNYMEXにおけるWTI原油の受け渡し場所であるクッシングの原油在庫の推移です。低在庫状態が常態化してしまったように見えます。

EIA発表 週間在庫統計 クッシング(2014~2018年比較)

石油製品輸出量が増えているということは、製油所で消費される原油の量が増えているはずで、また、製油所の稼働率が高水準を維持しているはずです。下図は製油所での原油処理量と、製油所稼働率です。実際、その通りになっていますね。なお、2017年9月の原油処理量が激減し、稼働率も著しく下がっているのはハリケーンの影響です。

アメリカの週間原油処理量の推移(2014~2018年)

アメリカの週間製油所稼働率の推移(2014~2018年)

EIA発表週間統計(原油・石油製品の輸出入統計)無料で過去生データ取得できます
ハリケーンが米国の原油、ガソリン価格に与える影響
秋は原油先物の順鞘(コンタンゴ)が拡大しやすい
クッシング在庫って何?原油価格に影響するの?
注目すべき毎週発表される原油統計2つ
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日本の液化天然ガス(LNG,Liquid Natural Gas)の年間輸入量推移と輸入単価

近年、アメリカのシェール革命により天然ガスが脚光を浴びておりますが、日本はかなり前からエネルギー源として液化天然ガス(LNG)を輸入しています。1990年代前半の主たる輸入先はインドネシアでしたが、1990年代後半からマレーシアが加わり、2000年代はオーストラリアやカタールからの輸入量が伸び、2010年代はロシアからの輸入量が増えています。2017年の輸入先上位5ヶ国ランキングはオーストラリア、マレーシア、カタール、ロシア、インドネシアとなっており、アメリカからの輸入量は5位のインドネシアの15%以下でした。オーストラリアやマレーシアは三菱商事主導のプロジェクト等(豪州ウィートストーンLNGプロジェクトにおけるLNG生産開始、Malaysia LNG Sdn. Bhd. / Malaysia LNG Dua Sdn. Bhd. / Malaysia LNG TIGA Sdn. Bhd.)からの輸入が大きく寄与していると考えられます。

[lineChart vaxis=”{title: ”}” haxis=”{title: ”}” title=”日本のLNG輸入量の推移”]
[‘年’, ‘LNG年間輸入量[万トン]’],
[‘1990年’,3546],
[‘1991年’,3751],
[‘1992年’,3904],
[‘1993年’,3929],
[‘1994年’,4207],
[‘1995年’,4290],
[‘1996年’,4587],
[‘1997年’,4765],
[‘1998年’,4913],
[‘1999年’,5172],
[‘2000年’,5368],
[‘2001年’,5514],
[‘2002年’,5387],
[‘2003年’,5912],
[‘2004年’,5697],
[‘2005年’,5801],
[‘2006年’,6218],
[‘2007年’,6681],
[‘2008年’,6926],
[‘2009年’,6455],
[‘2010年’,7000],
[‘2011年’,7853],
[‘2012年’,8731],
[‘2013年’,8749],
[‘2014年’,8850],
[‘2015年’,8504],
[‘2016年’,8333],
[‘2017年’,8363],
[/lineChart]

[lineChart vaxis=”{title: ”}” haxis=”{title: ”}” title=”日本のLNG輸入単価の推移”]
[‘年’, ‘LNG輸入単価[円/トン]’],
[‘1990年’,27069],
[‘1991年’,27765],
[‘1992年’,23676],
[‘1993年’,20311],
[‘1994年’,16848],
[‘1995年’,16790],
[‘1996年’,20492],
[‘1997年’,24245],
[‘1998年’,20678],
[‘1999年’,18410],
[‘2000年’,26178],
[‘2001年’,28901],
[‘2002年’,27692],
[‘2003年’,28671],
[‘2004年’,28958],
[‘2005年’,34221],
[‘2006年’,42764],
[‘2007年’,46998],
[‘2008年’,67171],
[‘2009年’,43797],
[‘2010年’,49592],
[‘2011年’,60958],
[‘2012年’,68759],
[‘2013年’,80681],
[‘2014年’,88704],
[‘2015年’,64838],
[‘2016年’,39376],
[‘2017年’,46839],
[/lineChart]

注) 液化天然ガス(LNG)の輸入数量は財務省貿易統計による。実行関税率表においてLNGのコードは2711.11-000です。生データで確認したい人は、まず実行関税率表で探したい品目のコードを探し、次に財務省貿易統計で必要な統計を見て下さいね!

ところで、そもそもなぜ、わざわざ液化天然ガス(LNG)なんか輸入するのでしょうか。1次エネルギー輸入先の分散、友好国からの輸入による安全保障の確保など、いろいろ理由はあると思いますが1997年12月のCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)で採択された京都議定書の影響は無視できないでしょう。原油の代わりにLNG使用量を増やす理由は、ズバリCO2排出量削減のため、というのが最初のモチベーションでしょう。下表は燃料別の二酸化炭素(CO2)排出量の比較です。排出係数が小さいものほど、単位熱量あたりのCO2排出量が小さいことを示しています。排出係数の比を計算すると一般炭(石炭):原油:LNG=10:7.5:5.5となっています。つまりLNGを使用することで石炭の55%のCO2しか発生させずに済む、というわけです。

燃料の種類 排出係数 単位発熱量 単位あたりCO2排出量
一般炭 0.0247 [tC/GJ] 26.6 [GJ/t] 2.409 [kg-CO2/kg]
原油 0.0187 [tC/GJ] 38.2 [GJ/KL] 2.619 [kg-CO2/L]
LNG 0.0135 [tC/GJ] 54.5 [GJ/t] 2.698 [kg-CO2/kg]

注)特定排出者の事業活動に伴う温室効果ガスの排出量の算定に関する省令に基づき作成

CO2削減のためにLNG輸入量を増やしているところに、アメリカがシェール革命で天然ガスを増産できるようになったために、CO2排出量が少なく、しかも安いエネルギー源となった、ということですね。もともとLNG価格は原油価格リンクだったので日本は相当割高な価格を払っていたわけですが、だんだんそうでもなくなってきた、というわけですな。

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アメリカの天然ガス(LNG)輸出量が2017年以降伸びている

トランプ政権になってからアメリカは原油、天然ガスの輸出に力を入れ始めました。特にLNG(液化天然ガス)に関しては、アメリカの貿易赤字の減少に寄与し、しかも同盟国とのエネルギー面での安全保障面の強化に繋がるため、力を入れているようです。大口の輸出相手国はメキシコ、もちろん日本、韓国も輸入量が多いのですが、中国の輸入量は日本より多くなっています。中国としては通商問題解決のためという側面が大きいのかもしれません。

これまでのアメリカの天然ガス先物は、アメリカ国内の需給や気温をチェックすれば、だいたいの値動きが説明できるために原油よりも値動きが読みやすいと筆者は考えておりましたが、最近では輸出入の動向も絡むようになってきたので難易度が上がってきた気がします。

下図はアメリカの天然ガス輸出量と、LNG輸出量の推移です。2017年に入ってから急激に輸出量が増加していることがわかります。

US_Natural_Gas_Export_Monthly

筆者は例年4月頃は、天然ガス先物のサヤ滑り狙いのポジションを構築していますが、今年は例年以上の低在庫状態となり損切りを余儀なくされましたorz

low_level_stock_natural_gas

とは言ってもコンタンゴを維持しているため、CFDでの長期買い持ちは、やはり不利で買いを狙うのはタイミングが重要になりそうですね。

海外先物を使って例年お決まりの天然ガスのサヤ滑りを収益化する
EIA週間統計:天然ガス在庫推移(グラフ)
CFTC建玉明細で原油の投機筋のポジションを読む
U.S. Natural Gas Exports and Re-Exports by Country(生データが無料で得られます)
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2049(VIXインバースETN)が2018年2月19日に早期償還するが償還価格は妥当なのか計算する

インバース型ETNの価値は、そのETNの元となってるモノの価格変動の「経路」によって全然異なります。2049(NEXT NOTES S&P500 VIX インバースETN)が一晩で暴落したことで大騒ぎになっていますが、そもそも、下落幅は妥当なのかという疑念が湧いている方が多いと思います。結論を先に書きますが下落幅は妥当です。

2049の構造は、超簡略化して考えると、シカゴ市場(CBOEの中のCFEという市場)で取引されているVIX先物を売り持ちしていることと同じです。VIXそのものを売り持ちすることはできないので、それの先物を売り持ちすることで組成されています。

計算を楽にするために1ドル100円、VIX先物の前日終値が20だったとしましょう。VIX先物1枚あたりの価値は先物価格の1000倍ですので、1枚あたり2万ドルとなります。2049の発行総額が例えば20000万ドルだったとすると10000枚のVIX先物を売り持ちしていたことになります。2/5に東証で2049を単位29400円で100単位買っていた人は294万円投資していたわけですが、ざっくり言うとVIX先物を1.5枚くらい空売りしていたことと同じリスクを取っていたことになります。

VIX先物が20のときに、VIX先物を1枚売り持ちして一晩で30に急騰したらどうなるでしょうか。値上がり幅が10で1枚の売り持ちをしていたわけですから10000ドル損することになります(20000ドル分空売りしていて30000ドルで買い戻すわけだから10000ドルの損)。では40になったらどうなるかというと20000ドルの損です(20000ドル分空売りしていて40000ドルで買い戻すから20000ドルの損)。そうです、VIX先物が一晩で2倍になれば、投資金額を全額失うというわけです。

2049の買い持ちはVIX先物の売り持ちと等価ですから以下の通りになります。
・VIX先物価格が一晩で1.5倍になる→2049は価値の半分を一撃で失う
・VIX先物価格が一晩で2倍になる→2049は価値を全てを一撃で失う

ここでややこしいのはVIX先物が、一晩で2倍になった場合と、2日かけて2倍になった場合では、2049の残存価格は全然違います。一晩で2倍になると一撃で紙屑になってしまいますが、1日目に20から30になって翌日30から40になった場合は紙屑になりません。

2049の発行総額が例えば20000万ドルだったとすると10000枚のVIX先物を売り持ちしていたことになりますが、20から30になった日に2049の価値は半減しており、それに応じて運用者は終値で売り持ち数量を減少させます。2049全体の価値が10000万ドルに半減しており、更にVIX先物が30ですから売り持ち数量は3333枚に激減しています。翌日、VIX先物が40に上昇しても、売り持ち数量は既に3333枚に減っているので2049全体の損失は一晩で40になった場合よりも少なくなります。

ところで実際の2049は「期近の2つのVIX先物を平均残存期間が30日になるように毎日少しずつロールオーバーしながら売り持ち」する構造になっています。VIX先物は、先物ですから時間の経過によって残存日数が変化してしまいます。このため期間の短いVIX先物は毎日少しずつ数量を減らし、期間の長いVIX先物は毎日少しずつ数量を増やす操作を行っています。この辺は2049のアメリカ版であるXIVも同様です。

下表はCBOEのVIX先物の終値と、VIX先物の期近2本の平均残存日数が30日になるような比率で計算した、筆者計算のインバース指数です。グラフはVIX短期先物インバース指数の公式な発表値と、筆者計算のインバース指数の比較です。両者はよく一致しており、2049の償還価格の計算は妥当であると考えられます。

日付 VIX先物2月限終値 VIX先物3月限終値 2月限残存日数 3月限残存日数 2月限変動率 3月限変動率 合計変動率 インバース指数筆者計算値
2018/1/18 12.075 12.775 27 62 -0.4 +1.6 -0.2 1700134
2018/1/19 11.925 12.525 26 61 -1.2 -2.0 -1.3 1723811
2018/1/22 11.825 12.475 23 58 -0.8 -0.4 -0.8 1736640
2018/1/23 11.975 12.725 22 57 +1.3 +2.0 +1.4 1712017
2018/1/24 12.225 12.925 21 56 +2.1 +1.6 +2.0 1678796
2018/1/25 12.425 13.025 20 55 +1.6 +0.8 +1.4 1655506
2018/1/26 12.325 13.075 19 54 -0.8 +0.4 -0.4 1663025
2018/1/29 13.525 13.825 16 51 +9.7 +5.7 +8.1 1526876
2018/1/30 13.975 14.075 15 50 +3.3 +1.8 +2.7 1486936
2018/1/31 13.475 13.675 14 49 -3.6 -2.8 -3.2 1535777
2018/2/1 13.275 13.425 13 48 -1.5 -1.8 -1.7 1560640
2018/2/2 15.625 14.975 12 47 +17.7 +11.5 +14.5 1334094
2018/2/5 33.225 27.975 9 44 +112.6 +86.8 +97.1 38360
2018/2/6 23.875 21.025 8 43 -28.1 -24.8 -26.1 65966
2018/2/7 23.425 19.875 7 42 -1.9 -5.5 -4.2 68702
2018/2/8 28.100 21.650 6 41 +20.0 +8.9 +12.4 60327
2018/2/9 27.175 20.425 5 40 -3.3 -5.7 -5.0 64024

VIX Short Term Futures Inverse Daily Index

インバース型ETN、ETFやレバレッジ型ETN、ETFは、元になっている投資対象品の値動きの経路によって価値が変わります。2038(NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油 ダブル・ブル ETN)が長期的に値上がりしにくくて値下がりしやすいのも、価値に経路依存性があるからです。このように仕組みが複雑なものは、リスクが高い場合があるので注意が必要です。

なお2049と同様のXIVも早期償還の模様ですが、SVXYは早期償還しない模様です。日本国内の証券会社での扱いはおそらく無いと思いますがInteractive Brokersで売買可能です。CFDで良ければVIX指数やUVXYなどレバレッジ型ETFを原資産とするCFDを扱ってるところはあります。但し、VIX指数のCFDでの空売りは大変危険なので近寄らないのが無難だと思います。筆者はInteractive BrokersでVXXのPUTを買ってます(損失限定なので)。

2018年12月下旬のVIX暴騰時の関連CFD等の動きを比較する
WTI原油先物のフォワードカーブと順鞘による負のロールイールドによる原油ETFの減価
2038「NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油 ダブル・ブル ETN」の価格シミュレーション(2)
(広告)VIXのCFDの取り扱いあり GMOクリック証券CFD

実務家のためのオプション取引入門 基本理論と戦略

2017年12月、CBOEとCMEがビットコイン先物を上場

2017年12月中旬に、世界最大の先物市場を運営するCMEと、VIX先物で知られるCBOE(シカゴオプション取引所)に、ビットコイン先物が上場されました。既に、bitFlyer LightningやBitcoin Mercantile Exchange(BitMEX)ではビットコインの先物取引が行われておりますが、今般、米国系大手取引所でのビットコイン先物取引が始まったインパクトは極めて大きいものになる可能性があります。なぜなら大手金融機関はビットコインのようなデジタル資産に投資することはコンプライアンス上、難しいけれども、公式な取引所に上場されている先物、ETF、ETN等に投資することは容易だからです。

GMOクリック証券CFDでトレードされている方は「米国VI」や「米国VIブル2倍ETF」などの名称を目にしたことがあるかもしれません。これの元になってる金融商品がCBOEのVIX先物です。米国VIブル2倍ETFのCFDは具体的にはUVXYというETFの変動を売買するCFDですが、UVXYはVIX先物を「総資産の2倍分」買い持ちすることで2倍変動する仕組みになっています。またニューヨーク市場のETFの中で取引量が多いVXXもVIX先物から作られていますし、東証の1552(国際のETF VIX短期先物指数)もVIX先物から作られているはずです。

何を言いたいかというと、流動性のある公的なビットコイン先物市場があれば、その先物を使ってETFを作ることができる、というわけです。もし証券市場にビットコインのETFができたらどうなると思いますか。先物やCFDには見向きもしなかった一般投資家層が豊富な資金で買って来る可能性が高まるだろう、ということです。CNBCニュースによると、既にレバレッジ型ETFファンドの計画があるようです。

取引所 CBOE CME
名称 CBOEビットコイン先物 CBOEビットコイン先物
価格表示 1ビットコインあたり米ドル 1ビットコインあたり米ドル
上場日 2017/12/10 2017/12/18(12/18扱いの12/17の夜間取引から開始)
先物1単位あたり契約数量 1ビットコイン 5ビットコイン
ティッカーシンボル XBT BTC
必要証拠金比率 40% 35%
最終清算価格 ジェミニ取引所における公式オークション価格。端数は0.01単位で最も近い数値 取引最終日のCME CFビットコイン参考基準レートBRR(CME CF Bitcoin Reference Rate)
最終清算方法 差金決済 差金決済
取引時間 日曜17時~月曜15時15分、月曜から木曜は15時30分~翌日15時15分、米国標準時間(CST) 日曜17時~月曜16時、月曜から木曜は17時~翌日16時、米国標準時間(CST)
ブロック取引 可 可
建玉制限 買建は5000枚、売建は1000枚 当月に満期を迎えるものは1000枚

公式な取引所ということもあり、将来的にETFの原資産として使いやすいような商品設計になっています。例えば最終決済方法は、価格操作のしにくい清算価格を用いた現金での差金決済であったり、ブロック取引が可能になっている点などです。

ただし個人投資家がトレードするという点で見ると、必要証拠金比率が35~40%と高いためにレバレッジを効かせにくいことや(破産リスクは下がりますが)、他の先物取引と同様に、取引不可能時間が多いという点が問題になります。毎日取引中断時間があり、銀行休日は取引ができず、土曜日も取引ができません(取引再開は日曜夕方から)。

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