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2038「NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油 ダブル・ブル ETN」の価格シミュレーション(2)

2016/06/28

下図は2014年9月から2016年5月の、東京商品取引所(TOCOM)原油先物(ドバイ原油先物)と、2038「NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油 ダブル・ブル ETN」の償還価格の関係です。TOCOM原油先物は赤と青の線で示されておりますが、これは毎月、先物の限月を乗り換えて行ってるようすを示します。見ての通りTOCOM原油価格に対して2038の価格は著しく低迷しております。この価格低迷は、別稿で述べたように、商品設計上は間違っておりません。直感的、あるいは感情的には納得できないわけですが。

TOCOMドバイ原油先物価格と、原油ダブルブルETN(2038)の比較チャート

赤と青の線で示した原油価格は、一見連続的に繋がっているように見えます。しかし実際には下図のように繋がっておらず、安値で売って高値で買い直すロールオーバー(限月乗り換え)を毎月繰り返しています。時期によっては有利なロールオーバーをする場合もありますが、価格低迷期は不利なロールオーバーになる場合が多いです。

TOCOMドバイ原油において、割高な価格でロールオーバーする様子

ありえない仮定ですが原油価格が2014年9月から2016年5月の価格変動の逆に動いたらどうなるか計算してみることにしました。まず、限月交代の影響を調べるために、TOCOM原油先物の修正つなぎ足を作成ししました。結果を下図に示します。赤と青の線は原油価格は毎月ロールオーバーしている中心限月(一番期限の長い6番限)であり、緑の線は修正つなぎ足(ロールオーバーするときの2つの限月の価格比に応じて修正)です。見かけ上の原油価格の変動は67120円から32960円の下落ですが、ロールオーバーによる毀損分(減価分)を修正すると67120円から25956円への下落となります。

TOCOMドバイ原油においてロールオーバー分を修正した、修正つなぎ足チャート

この修正つなぎ足を使って、時計を逆に進めた場合(2016年5月31日から2014年9月1日まで遡った場合、すなわち修正つなぎ足の原油価格が25956円から67120円まで戻った場合)、2038の償還価格が幾らまで上昇するかを試算した結果を下図に示します。

TOCOMドバイ原油の価格変動を現在から過去に時計を逆行させたとき原油ダブルブルETN(2038)の試算結果

時計を逆に進めた、という無茶な仮定下において、2038は4569円まで戻ることが分かりました(注意です。2038の価格は価格変動の仕方によって全く結果が変わるため原油価格が2014年9月レベルまで戻れば2038が4500円まで必ず戻るわけではありません。あくまでも今回の仮定条件での話です)。2014年9月1日の2038の終値は13390円でしたが、その半分にもなりません。変動率の高いレバレッジ型ETFの長期保有は原理的に不利なのですが、今回の試算結果でもやはり不利です。短期トレードだけに活用しましょう。

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