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管理人のNaokiです。 東京在住、フリーランス(一人法人) 石油、FX、株のトレードをしながら、Web作成を行ってます メール:crudeoil123com◎yahoo.co.jp (◎を@に変えて下さい)

人気のあるコモディティー関連のレバレッジETFとETN

日本の証券市場で最も人気があるETFはNEXT FUNDS 日経平均レバレッジ上場投信(1570)で、東証の売買代金一位の常連です。やはりボラティリティ(変動率)の大きい銘柄は何時の世でも人気がありますね。筆者は楽天証券とか松井証券の一日信用(手数料無料)を使って1570のデイトレをやってます。

ところで本場のアメリカ市場では、売買高が豊富で流動性の高いレバレッジ型ETF,ETNが日本市場よりも多くあります。本稿ではコモディティのレバレッジ型ETFとETNについてまとめてみました。

アメリカ市場には原油、天然ガス、金、銀などのレバレッジ型ETF/ETNがあります。しかしながら日本の取引会社で売買可能なものは一部だけとなっているようです。海外証券会社の口座開設のハードルは高いので日本国内で正規に営業許可されているCFD会社で売買するのが一番お手軽と言えると思います。

通称 シンボル 名称 何に連動? レバレッジ 長期保有 取引可能CFD業者(日本国内)
原油ブル2倍ETF UCO ProShares Ultra Bloomberg Crude Oil 原油 2倍 不利 GMOクリック証券CFD
原油ベア2倍ETF SCO ProShares Ultra Bloomberg Crude Oil 原油 マイナス2倍 不利 GMOクリック証券CFD
原油ブル3倍ETN UWT VelocityShares 3x Lng Crude Oil ETN New 原油 3倍 とても不利 なし
原油ベア3倍ETN DWT VelocityShares 3x Invrs Crude Oil ETN New 原油 マイナス3倍 とても不利 なし
天然ガスブル3倍ETN UGAZ VelocityShares 3x Long Natural Gas ETN 天然ガス 3倍 とても不利 GMOクリック証券CFD
天然ガスベア3倍ETN DGAZ VelocityShares 3x Long Natural Gas ETN 天然ガス マイナス3倍 とても不利 GMOクリック証券CFD
金ブル3倍ETN UGLD VelocityShares 3x Long Gold ETN 金 3倍 とても不利 なし
金ベア3倍ETN DGLD VelocityShares 3x Inverse Gold ETN 金 マイナス3倍 とても不利 なし
金ブル3倍ETF NUGT Direxion Daily Gold Miners Bull 3X ETF 金鉱山株 3倍 とても不利 GMOクリック証券CFD
金ベア3倍ETF DUST Direxion Daily Gold Miners Bear 3X ETF 金鉱山株 マイナス3倍 とても不利 GMOクリック証券CFD
銀ブル3倍ETN USLV VelocityShares 3x Long Silver ETN 銀 3倍 とても不利 なし
銀ベア3倍ETN DSLV VelocityShares 3x Inverse Silver ETN 銀 マイナス3倍 とても不利 なし

原油ブル2倍ETFは、1日の原油の動きの2倍の価格変動をするように設計されています。ポイントは「1日の」です。過去3日間連続で原油が+10%、+10%、+10%上昇する場合は、このETFは1.2×1.2×1.2=1.728倍となります。しかし上がったり下がったりすると、想像より上げ幅が小さくなります。例えば昨日原油が10%上がって今日10%下がったとすると1.2×0.8=0.96となり、4%も下がるハメになります。
ベア型は元になるコモディティーが下がったときに上がるようになってます。例えば天然ガスベア3倍ETNは、天然ガスの1日の変動率がマイナス10%のとき、3倍の+30%上昇するようになっています。レバレッジが大きいほど上げ下げが繰り返された場合に、思ったよりも損が拡大するので注意が必要です。

レバレッジ型のETFやETNは、短期売買ではレバレッジ特性で短期間で大儲けする可能性(大損する可能性)がありますが、年単位で長期保有した場合、ほぼ確実に損しますのでご注意下さい。また短期売買であっても、急激な価格変動によって、投資元本の全額以上を失う可能性はゼロではありませんのでリスク許容度の低い投資家は近寄らないのが無難でしょう。

注意点を一つ。GMOクリック証券CFDの金ブル3倍ETN、金ベア3倍ETNは、金価格の変動率の3倍ではありません。「金鉱山株」の1日の変動率の3倍なのでご注意下さい。金が動けば鉱山株も動くので、短期デイトレであれば特に支障はないと思いますが。

(以下、細かい話を補足)
コモディティは直訳すると「商品」ですが、投資の世界ではエネルギー(原油、天然ガスなど)、貴金属(金、銀、白金、銅など)、農産物(大豆、とうもろこし、小麦など)を意味します。これらは先物市場で活発に取引されているわけですが、先物市場にアクセスできない投資家が証券市場で容易に投資するために、ETFやETNが作られているというわけです。コモディティーは値動きが荒いときがけっこうあるのですけどレバレッジ型のETFやETNを活用することで短期利益を追求することができるというわけです。

ETFとはExchange-Traded Fundの略で、日本語では上場投信(取引所で自由に売買できる投資信託)となります。ETNはExchange-Traded Noteであり、指標連動証券などと訳されることが多いようです。平時においては小口で取引する個人投資家の立場では両者の違いを細かく云々する必要性はありません。しかしながらETNの場合は、金融機関が発行する債券という位置づけですので発行金融機関が破綻した場合には紙屑になるリスクがあります。リーマンショック時は金(ゴールド)のETFとETNが人気でしたが、当時は金融機関のデフォルトリスク(破綻リスク)が無視できなかったため、ETNのほうが僅かに割安で取引されていました。

天然ガスブル3倍ETNの特徴と取引上の注意点、攻略のヒント。
天然ガスベア3倍ETNの特徴と取引上の注意点、攻略のヒント。
VIXを売買する方法で一番簡単なのはCFD。
米国市場なら原油2倍ETFを空売りできる。
EIA原油在庫統計発表を利用してカナダドルのスキャルピング(短期トレード)
(広告)レバレッジ型ETF/ETNの取り扱いが豊富なGMOクリック証券CFD

ファンダメンタルズ的な季節傾向を利用した1-2月の天然ガスのトレードプラン

筆者は秋冬の天然ガスのトレードが大好きです。長期投資対象ではなく短期取引の対象としています。原油は国際情勢によって価格が左右されやすいため予想を外しまくりますが、天然ガス先物価格はどちらかというとアメリカ国内単独の事情で変動することが多く、その変動パターンの多くはファンダメンタルズに裏づけされた分かりやすい動きが多く、しかも個人レベルで入手可能な情報で攻略できる点が大きな特徴と言えると思います。

下図はアメリカの天然ガス在庫の季節パターンです。図は2014年~2018年の平均を表しております。見ての通り季節傾向は愚直なまでにシンプルで毎年4月~11月頃に在庫を積み上げて行き、積み上げた在庫は12月~3月頃に主に暖房需要で消費して行く繰り返しということが分かると思います。毎年微妙に傾向が違いますので例年の傾向と今年の傾向を比べつつ作戦を練ることになります。

天然ガス在庫の季節変動(2014~2018年の平均)

下図はアメリカの大都市である、ニューヨークとシカゴの月間平均気温の推移と、アメリカ全土の天然ガス月間消費量の推移です。ニューヨークとシカゴで一番寒いのは1月で、2月になるとやや気温が上昇することが分かります。それに呼応するように、天然ガス消費量は1月にピークをつけ2月以降は減少していくことが分かります。こちらもアメリカ全土の気温予想等を見ながら作戦を練ります。

ニューヨーク及びシカゴの月間平均気温(2014~2018年の平均)

アメリカの天然ガスの月間消費量(2014~2017年の平均)

例年のファンダメンタルズの傾向を見ていくと、大雑把な傾向としては、2月の天然ガス価格は1月よりも下がりやすいだろう、ということが予想できるというわけです。実際に近年の動きを見てみましょう。下図は1/15頃から2/15頃の動きに特化したチャートです。2014~2019年で別々のチャートにしてあります。

1月中旬~2月中旬の天然ガス先物のチャート(2014年)

1月中旬~2月中旬の天然ガス先物のチャート(2015年)

1月中旬~2月中旬の天然ガス先物のチャート(2016年)

1月中旬~2月中旬の天然ガス先物のチャート(2017年)

1月中旬~2月中旬の天然ガス先物のチャート(2018年)

1月中旬~2月中旬の天然ガス先物のチャート(2019年)

2月に戻り高値を付ける年もありますが、多くの年では1月よりも2月のほうが安いことが分かります。また、月替わりで急に傾向が変わっている年もあります。筆者は毎年1月末が近づくと、「そろそろ頃合かな」と思って売り仕掛ける場合が多いです。2019年は1月中旬以降に戻り高値の指値が不発で売れなかったので見てるだけでしたが、2月に戻り高値があれば少量売りたいなあと考えています。CFDの場合ですと長期トレードをすると価格調整額の支払い(または受け取り)の影響で損してるんだか儲かってるんだか訳が分からなくなりますので、攻略しやすい時期だけの短期間トレードが筆者のお決まりの手法となっています。

気象庁のホームページで世界主要都市の過去の気温が分かります
NOAA(アメリカ海洋大気庁)ではアメリカ全土の気温予想をカラフルな絵で見れて便利
注目すべき毎週発表される天然ガスの在庫統計
天然ガスブル3倍ETNの特徴と取引上の注意点、攻略のヒント。
2018年11月の天然ガス暴騰の件
アメリカにおける天然ガス生産量、消費量、輸出量の推移
(広告)天然ガスCFDを小口で取引できて初心者向きのGMOクリック証券CFD
いくらなんでも天然ガスは安すぎではないか?

天然ガスベア3倍ETNの特徴と取引上の注意点、攻略のヒント。

米国市場には天然ガス先物の日々の変動率の逆方向の動きの3倍をトラックする恐ろしいETNがあります。その名は天然ガスベア3倍ETN(DGAZ)です(VelocityShares 3x Inv Natural Gas ETN)。ETNそのものは日系の証券会社での取り扱いは無いようですがGMOクリック証券CFDで取り扱いがあります。しかしながら、このETNはリスクが非常に高いため、特徴をよく理解しておく必要があります。儲かると思ってトレードしたのに大きな損失を抱える可能性が非常に高い商品設計となっています。天然ガスの長期投資には全然向いておらず短期トレード専用と考えて下さい。

※天然ガスブル3倍ETNの記事はこちら。

下図は2018年10月1日から2019年1月25日における、天然ガス先物と、天然ガスベア3倍ETNの価格変動の比較をしたものです。天然ガス先物が3.2くらいから4.8くらいまで1.5倍くらい上昇してる過程で、天然ガスブル3倍ETNが300くらいから50くらいまで大暴落しているのが分かります。微妙に千切れていて見づらいのですがその後、天然ガス先物が4.8くらいから3くらいまで落ちる過程では50割れレベルから120くらいまで2.5倍くらい暴騰してるのが分かると思います。天然ガスの下げに賭けるツールとして見た場合、凄い威力です。

天然ガス先物と天然ガスベア3倍ETNのチャート重ね描き

天然ガスベア3倍ETNの基本的な仕組みとしては「天然ガス先物の1日の動きのマイナス3倍の動き」をするようになっています。天然ガス先物が前日比で5%下がったら、ベア3倍ETNは前日比で15%上昇する、というわけです。ポイントは「1日の動き」です。3日かけて天然ガス先物が10%下がったとしても、天然ガスベア3倍ETNが30%上がるとは限りません。連続して下落するときに爆発的に上昇しやすいが、ギザギザと下げ上げを繰り返すと上昇しにくい(減価しやすい)という特徴があります。3日前に10%下げて、2日前に10%上げて、1日前に10%下げたらどうなるかというと1.3倍になったものが0.7倍になって、それが1.3倍になるので、18%しか上がりません。

下表は2018年12月~2019年1月における天然ガス先物価格、天然ガスベア3倍ETN価格と、天然ガス先物価格の変動率と、その3倍、天然ガスベア3倍ETN価格の変動率を比較したものです。表を見れば分かるように、天然ガスブル3倍ETN価格の「日々の変動率」は、概ね先物の変動率のマイナス3倍となっていることが分かると思います。

天然ガス先物と天然ガスベア3倍ETNの日々の変動率の比較

下図は2015年1月から2019年1月における天然ガス先物の日々の変動率と、天然ガスベア3倍ETN価格の日々の変動率を比較したものです。商品設計上は、天然ガスベア3倍ETN価格の日々の変動率は天然ガス先物の日々の変動率のマイナス3倍と一致するはずですがマイナス2.66倍にしかなっていません。この理由としては値動き荒すぎ&貸株不足(マーケットメーカーが頑張って正当な価格にしたくても追随しきれない)、天然ガス先物の清算価格決定時間とETNの清算価格決定時間が一致していないためであると考えられます。筆者は金融危機時に金融株の価格変動の3倍動くFASというETFをトレードしていましたけど、このときも理論価格とマーケット価格には大きな乖離が見られました。値動きが荒い銘柄では仕方ありません。

天然ガス先物と天然ガスベア3倍ETNの日々の変動率の比較(長期の相関図)

よく誤解されるのは、春になれば気温が上がるから暖房用途が減って天然ガス価格も下がるだろうから、12月くらいに天然ガスベア3倍ETNを買って春までほったらかしにしておくと、そのうち馬鹿みたく上がるだろう、というものです。天然ガスベア3倍ETN(UGAZ)の目論見書を読むと、おそるべきことが書いてあります。要点をざっくり書きましょう。
・このETNは日々のリスクを管理できる賢い人向きの商品です(sophisticatedな人向けだと英語で書いてあります)
・長期投資目的で保有すると大変大きなリスクを抱えます(1日以上保有すると危険ですぞ)。
※目論見書(prospectus)はこちらです。英語で長ったらしい上にPDFファイルなのでご注意下さい。

実際に天然ガスベア3倍ETNを長期保有するとどうなるか、天然ガス先物価格と同時に描画したチャートが以下の通りです。見れば分かるように長期保有すると、物凄い速さで減価します。2016年2月頃に3000くらいだったのに2019年1月25日の終値はたった74.53です。これはひどい。

天然ガス先物と天然ガスベア3倍ETNの長期チャート重ね描き

下がるんだったら空売りして放置すれば良いのでは?と思いますよね。ところがそうそう甘くはありません。1552(国際のETF VIX短期先物指数)もそうなんですけど、長期で値下がりしやすいETFやETNは、空売りのためのコストが高いとか、空売りしたいときに売り禁止になるという問題があります。CFDは空売りをできることにはなっていますが、貸し株料は「金利調整額」という名目で徴収されますので、値下がり幅よりもこうしたコストのほうが高い場合は、利益を出すことができません。

目論見書に書いてあるように、あくまでも短期トレード向きのETNである、ということを理解する必要があります。こうした難しい商品には近寄らないのが一番ですが、リスク許容度の高い方々があえてこの銘柄を触るのであれば、特性をよく理解した上でデイトレや数日以内の短期決戦だけに用いるべきでしょう。デイトレする場合は「よく動く日」に照準を合わせれば良いと思います。例えば、在庫統計発表直後や、アメリカに寒波襲来のニュースが出たときなど。あとは毎日、天然ガス先物の清算価格が決まる2分間(14:28:00-14:30:00EST、アメリカ東部標準時間。日本は夜中ですけど)前後は激しく動きます。

天然ガスブル3倍ETNの特徴と取引上の注意点、攻略のヒント。
注目すべき毎週発表される天然ガスの在庫統計
米国市場なら原油2倍ETFを空売りできる
2018年12月下旬のVIX暴騰時の関連CFD等の動きを比較する
(広告)天然ガスベア3倍ETNのCFDの取り扱いがあるGMOクリック証券CFD

天然ガスブル3倍ETNの特徴と取引上の注意点、攻略のヒント。

米国市場には天然ガス先物の日々の変動率の3倍をトラックする恐ろしいETNがあります。その名は天然ガスブル3倍ETN(UGAZ)です(VelocityShares 3x Long Natural Gas ETN)。ETNそのものは日系の証券会社での取り扱いは無いようですがGMOクリック証券CFDで取り扱いがあります。しかしながら、このETNはリスクが非常に高いため、特徴をよく理解しておく必要があります。儲かると思ってトレードしたのに大きな損失を抱える可能性が非常に高い商品設計となっています。天然ガスの長期投資には全然向いておらず短期トレード専用と考えて下さい。

※天然ガスベア3倍ETNの記事はこちら。

下図は2018年10月1日から2019年1月25日における、天然ガス先物と、天然ガスブル3倍ETNの価格変動の比較をしたものです。天然ガス先物が3.2くらいから4.8くらいまで1.5倍くらい上昇してる過程で、天然ガスブル3倍ETNが80くらいから250くらいまで3倍くらい上昇しているのが分かります。確かに凄い爆発力です。

天然ガス先物と天然ガスブル3倍ETNのチャート重ね描き

天然ガスブル3倍ETNの基本的な仕組みとしては「天然ガス先物の1日の動きの3倍の動き」をするようになっています。ポイントは「1日の動き」です。3日かけて天然ガス先物が10%上がったとしても、天然ガスブル3倍ETNが30%上がるとは限りません。連続して上昇するときに爆発的に上昇しやすいが、ギザギザと上げ下げを繰り返すと上昇しにくい(減価しやすい)という特徴があります。連続して上昇する場合は例えば天然ガス先物が3日連続10%上昇すると天然ガス先物は1.1×1.1×1.1=1.331で33%の上昇ですけど、ブル3倍ETNは1.3×1.3×1.3=2.197なので約2.2倍まで暴騰する仕組みです。天然ガスが10%上昇した翌日に10%下落した場合は、天然ガス価格は1.1×0.9=0.99なので1%の下落なのですけどブル3倍ETNは1.3×0.7=0.91となるので9%の損失となります。思ったよりも損をしやすい仕組みになっている点が大変危険であるというわけです。

下表は2018年12月~2019年1月における天然ガス先物価格、天然ガスブル3倍ETN価格と、天然ガス先物価格の変動率と、その3倍、天然ガスブル3倍ETN価格の変動率を比較したものです。表を見れば分かるように、天然ガスブル3倍ETN価格の「日々の変動率」は、概ね先物の変動率の3倍となっていることが分かると思います。

天然ガス先物と天然ガスブル3倍ETNの日々の変動率の比較

下図は2015年1月から2019年1月における天然ガス先物の日々の変動率と、天然ガスブル3倍ETN価格の日々の変動率を比較したものです。商品設計上は、天然ガスブル3倍ETN価格の日々の変動率は天然ガス先物の日々の変動率の3倍と一致するはずですが細かく見ると2.6倍にしかなっていません。この理由としては値動きが荒いことと、天然ガス先物の清算価格決定時間とETNの清算価格決定時間が一致していないためであると考えられます。

天然ガス先物と天然ガスブル3倍ETNの日々の変動率の比較(長期の相関図)

よく誤解されるのは天然ガスブル3倍ETNを買ってほったらかしにしておくと、そのうち馬鹿みたく上がるだろう、というものです。天然ガスブル3倍ETN(UGAZ)の目論見書を読むと、おそるべきことが書いてあります。要点をざっくり書きましょう。
・このETNは日々のリスクを管理できる賢い人向きの商品です(sophisticatedな人向けだと英語で書いてあります)
・長期投資目的で保有すると大変大きなリスクを抱えます(1日以上保有すると危険です)。
※目論見書(prospectus)はこちらです。英語で長ったらしい上にPDFファイルなのでご注意下さい。

実際に天然ガスブル3倍ETNを長期保有するとどうなるか、天然ガス先物価格と同時に描画したチャートが以下の通りです。見れば分かるように長期保有すると、物凄い速さで減価します。

天然ガス先物と天然ガスブル3倍ETNの長期チャート重ね描き

下がるんだったら空売りして放置すれば良いのでは?と思いますよね。ところがそうそう甘くはありません。1552(国際のETF VIX短期先物指数)もそうなんですけど、長期で値下がりしやすいETFやETNは、空売りのためのコストが高いとか、空売りしたいときに売り禁止になるという問題があります。CFDは空売りをできることにはなっていますが、貸し株料は「金利調整額」という名目で徴収されますので、値下がり幅よりもこうしたコストのほうが高い場合は、利益を出すことができません。

目論見書に書いてあるように、あくまでも短期トレード向きのETNである、ということを理解する必要があります。こうした難しい商品には近寄らないのが一番ですが、リスク許容度の高い方々があえてこの銘柄を触るのであれば、特性をよく理解した上でデイトレや数日以内の短期決戦だけに用いるべきでしょう。デイトレする場合は「よく動く日」に照準を合わせれば良いと思います。例えば、在庫統計発表直後や、アメリカに寒波襲来のニュースが出たときなど。私はこういう銘柄は好きですね。

天然ガスベア3倍ETNの特徴と取引上の注意点、攻略のヒント。
注目すべき毎週発表される天然ガスの在庫統計
米国市場なら原油2倍ETFを空売りできる
米国市場には原油ブル3倍ETNがある!
2018年12月下旬のVIX暴騰時の関連CFD等の動きを比較する
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注目すべき毎週発表される天然ガスの在庫統計

天然ガスの需給動向を読むにあたり、毎週EIAから発表される週間在庫統計は非常に重要です。EIAはDOE(Department of Energy,米エネルギー省)内の組織です。発表直後に天然ガス価格が大きく動くことがあるので特に短期トレード中心の方は発表時間を覚えておいたほうが良いでしょう。

※天然ガス在庫推移を見たい方はこちら(EIA週間統計:天然ガス在庫推移(グラフ))。

略称 正式名称 日本語訳名称 発表日時※1 日本時間※2
EIA US Energy Information Administration 米国エネルギー情報局 毎週木曜10:30EST 毎週木曜24:30

※1:発表日は原則木曜日ですが、米国の休日の関係で1日遅れの金曜日になる週と、1日早い水曜日になる週があります。。ESTは米国東部時間の略称です(Eastern Standard Time)。ちなみに日本時間はJSTと略記します(Japan Standard Time)。
※2:米国サマータイム以降は時間がずれます。冬時間終了後(2019年3月10日以降)は、日本時間(JST)は1時間ずれて23:30になります。

EIAのページを見ると「Working gas in underground storage」という文言があります。直訳すれば「稼動中の地下備蓄設備」という意味になります。在庫量は5エリア(East Region, Midwest Region, Mountain Region, Pacific Region, South Central Region)で各々の値が発表されていますが、天然ガスのトレードをする上では合計量(Total Lower 48 States)だけを見れば良いと思います。「Lower 48 states」は「ハワイとアラスカを除くアメリカの州の全部」という意味です。

なおSouth Central Regionに関しては更に2つに分けて(SaltとNonsalt)ありますが、これは貯蔵方法の区分によるものです。主な貯蔵方法形態は岩塩層の空洞(Salt Caverns)、非岩塩層の空洞(Hard-rock Caverns)、坑道(Mines)、帯水層(Aquifer)、枯渇した帯水層(Depleted Reservoirs)などです。貯蔵量が非常に多いためガスボンベに貯めているわけではありません。ざっくり言うと「地下にある、主に自然由来の密閉性の高い穴」にガスを貯めているということになります。

EIA週間統計:天然ガス在庫推移(グラフ)
2018年11月の天然ガス暴騰の件
アメリカにおける天然ガス生産量、消費量、輸出量の推移
注目すべき毎週発表される原油統計2つ
EIA週間統計:原油、ガソリン、中間留分の在庫推移(グラフ)
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VIXの季節的変動を利用できるか

筆者は天然ガス、ガソリン、穀物など季節ごとの毎年の傾向がある銘柄が好きです。天然ガスは冬場が最大の需要期であり(暖房に使うため)、ガソリンは製油所の定期補修が毎年春にあって夏場が需要期、穀物は春に種まきして秋に収穫するので季節的なトレンドがあります。じゃあVIX指数はどうでしょう。株は秋に下落しやすいので、秋にピークをつけることが多いのか、それとも、あんまり関係ないのか。早速見てみましょう。横軸は12ヶ月ではなくて14ヶ月になっています。前年の10/1から、その年の12/31迄を描画しています。まずは2008~2013年です。

VIXチャート(2008~2013年)

2008年秋のリーマンショック時は10~11月にピークをつけています。VIXは終値ベースで80を超えている日があります。よく勘違いする人がいるのですがVIXの最大値は100ではありません。VIXはアメリカの株価指数のオプション価格から算出されている数字であり、理屈上はVIXが120とか200になってもおかしくありません。したがって「VIXが40超えた。歴史的高値だ。もう下がるに違いない」というような安易な相場観でVIX先物のCFDを売ったりすると一撃で退場(全資金吹き飛んだ挙句、不足金の請求)になる可能性があります。CFD会社のロスカットは、必ずしも「口座残高が僅かに残ったところで決済」してくれません。VIXは大変危険なので近寄らないというのもアリだし、超小口売買しかやらないのもアリだと思います。

次に2014~2019年(1月迄)。
VIXチャート(2014~2019年)

2018年2月にVIXが急騰しVIXベア型のETFの2049が一撃で終了してしまいました。このときのVIX指数終値は37.32です。リーマンショック時と比較して特段大きな値ではありませんでしたが「前日からの変動率が大きかった」ために、あのようなことになりました。VIXの計算方法は難解なのですがちょっと専門的な話をすると、たいして売買代金が多くない、アウトオブザマネーのオプション価格が指数を嵩上げしやすいという構造問題があります。

話を戻しますが、季節傾向はどうやらなさそうに見えますね。。。そりゃそうか。

2049(VIXインバースETN)が2018年2月19日に早期償還するが償還価格は妥当なのか計算する
2018年12月下旬のVIX暴騰時の関連CFD等の動きを比較する
2018年11月の天然ガス暴騰の件
(広告)VIXのCFDの取り扱いあり GMOクリック証券CFD
(広告)オプションの素晴らしい参考書。VIXの説明もあるよ。実務家のためのオプション取引入門 基本理論と戦略

VIX投資する方法で一番簡単なのはCFD。先物・オプションは難易度高い。

実はVIXそのものは売買できません。直接の売買はできないので代替物(先物、CFD、オプションなど)で売買するしかありません。VIX指数とVIX先物は同じものではないので、VIX指数が40まで上がったのにVIX先物は30迄しか上がりませんでした、ということは良くあります。下表はVIX関連で世の中でよくトレードされているものの一覧です(これ以外にもあります)。

(参考記事)2018年12月下旬のVIX暴騰時の関連CFD等の動きを比較する
(参考記事)コロナショック時におけるNYダウとVIXの挙動をリーマンショック時と比較する

海外の取引会社に口座を開けばVIX先物やオプションの取引も可能ですが、多くの資金と英語力が必要なのでセミプロ級の方を除いてお勧めできません(税金の問題もあります)。個人投資家で小口でトレードするとしたらCFDが最も簡単だと思います。

No. 名称 その正体 お手軽度 取引会社
1 VIX先物 シカゴ市場にある先物 プロ向け 米国の取引会社
2 VIXオプション シカゴ市場にある先物 プロ向け 米国の取引会社
3 米国VI VIX先物のCFD 初心者も可 GMOクリック証券CFD
4 米国VIブルETF VIX連動ブル型ETFのCFD 初心者も可 GMOクリック証券CFD
5 米国VIベアETF VIX連動ベア型ETFのCFD 初心者も可 GMOクリック証券CFD
6 1552 VIX連動ETF(円建) 初心者も可 国内証券会社
7 VXX VIX連動ETF(ドル建) 上級者向け 米国の取引会社
8 2049 VIX連動ベア型ETF(円建) 初心者も可 上場廃止されました
9 SVXY VIX連動ベア型ETF(ドル建) 上級者向け 米国の取引会社
10 UVXY VIX連動ブル型ETF(ドル建) 上級者向け 米国の取引会社

そもそもVIXは何かというとアメリカの株価指数S&Pのオプションのインプライドボラティリティを指数化したものです。株価が暴落した場合、現在価格よりも低い価格のプットオプション価格が、ありえないほど上がることがあり、そのような場合はオプション価格から計算されるVIX指数は想像を絶するほど大きな値となることがあります。実際の計算は大変複雑でありますが、恐怖指数と呼ばれているように、株価が暴落すると跳ね上がる数字と考えれば、だいたい合ってます。理系の人はvix calculationでググって下さい。CBOEのサイトに説明があります。

以下、もう少し詳しく説明してゆきます。長いので興味あるところだけ読んで下さい。

VIX先物

まず売買サイズが大きすぎ(倍率1000倍なのでVIXが1動くと1000ドルの損益、必要資金が大きい)、海外先物を売買できる取引会社に口座を開かないと売買できません(日本語環境で簡単に口座を開ける取引会社がない)。

VIXオプション

口座開設のハードルが高い点はVIX先物と同様で一般投資家は売買が困難です。特長としてはVIX指数を原資産とするヨーロピアンタイプのオプションで倍率は100倍とお手ごろ。荒れ相場時には「VIXオプションのPUT買い」などで損失限定で勝負できるのですが、口座開設のハードルが高いので実質使えません。。残念

VIX先物のCFD

GMOクリック証券CFDで取り扱いがあります(米国VIという名称)。取引単位はCFD価格の10倍であり、本家本元のVIX先物(1000倍)の1/100サイズで小口売買ができる点が素晴らしい。ツールは使いやすくホームページの説明も過不足なく必要な情報が網羅されており、口座開設の難易度は低いと思う(但し、リスクのある投資を許容できる経済力やリスクの理解はもちろん求められます)。クリック証券のように国内で認可された取引会社で取引する場合は、個人口座においては、日経平均先物、日経オプション、CFD、商品先物間で、損益通算できるというメリットがあるので、いろいろなトレードをする人にとっては都合良いといえます(株の損益とは通算できないのは法律のせいだから仕方ありません)。

CFDの元になっているものが先物なので、長期保有するとロールオーバー時に価格調整額が発生します(月1回)。VIX先物はコンタンゴ期間が長いので長期買い持ちは一般的に著しく不利なので注意が必要ですね。コンタンゴ時に長期保有すると価格調整額の支払い額が根雪のように積み上がり、ほぼ損します。逆に長期売り持ちは理屈上は有利なのですが荒れ相場時はVIX先物が突然大きな価格変動をするため資金不足で強制決済になるリスクがあります。例えるならば線路に落ちてる100円玉を一生懸命拾ってたら、気づいたときには電車が来て逃げれない、みたいな目に遭う可能性あり。甘い話はありませんね~。

個人的には、荒れ相場時の短期売買に好適なCFDだと思います。

クリック証券は普通の株の取引もできるので1552も売買できます。株、FX、CFD間で、資金振り替えがあっという間にできるので、いろんなものを売買する人にとっては超便利。一般信用取引を開始したので優待クロスもできます。筆者の好きな証券会社の一つでもあります。優待クロスを知らない人はググって下さい。本稿の趣旨を外れるので説明は省略します。

VIXに関連するETFのCFD

これもGMOクリック証券CFDで取り扱いがあります。「米国VIブルETF」の元になっているのが「UVXY,プロシェアーズ・ウルトラ・VIX短期先物ETF/NYSE ARCA」です。「米国VIベアETF」の元になっているのが「SVXY,プロシェアーズ・ショート・VIX短期先物ETF/NYSE ARCA」です。

「米国VIブルETF」は、超ざっくり説明すると、VIX先物の1日の動きの1.5倍の動きをするETFです。「1日の動きの1.5倍」なのでVIXが10日間で2倍になったから、3倍になるかというと、実はそうじゃないです。上がったり下がったりすると、その過程で減価してしまうため、3倍以上になることもあれば、3倍以下のこともあります。2日以上連続して同じ方向に動いた場合に大きな利益を狙えます。が、相場はえてして行ったり来たりなので、粘ると減価と金利調整額で想像以上にヤラレる、という性質があるので仕組みが良く分からない人は触らないほうが良いでしょう。

「米国VIベアETF」は、超ざっくり説明するとVIX先物の1日の動きのマイナス0.5倍の動きをするETFです。先物が10パーセント上昇したら、このETFは半分の5パーセント下落する仕組みです。逆に先物が10パーセント下落したら、このETFは半分の5パーセント上昇する仕組みです。相場が平穏なときはVIX先物はコンタンゴが続くことが多いため、「米国VIベアETF」はジワジワ上昇してゆきます。しかしながら同じような仕組みの2049は一撃で価値を失ったことがあるため、見かけよりも危険が多いです。

VIXに関連するETFのCFD全般に言えることですが、「CFDの元になっているもの」がETFなので、金利調整額と権利調整額が発生します。このうち特に要注意なのが金利調整額。買いの場合は「借金してレバレッジかけて買ってる」のと同じなので、丸代金に対して、アメリカの短期金利程度の金利がかかります。丸代金に対してかかるので、長期保有すると馬鹿にならない金額になります。

VIX関連のETFは貸し株が少ないことが多く、空売り禁止の場合や、貸し株料が高額な場合があります。したがって「VIXに関連するETF」のCFDを特に長期間空売りした場合は想像を絶する金利調整額になる可能性があります。UVXYの長期チャートを見れば分かりますけど「驚くほどの右肩下がり」なんですよ。皆、空売りしたくなる。だから貸し株が全然ないか、あるいは馬鹿みたいな高額貸し株料が徴収されることがある、ということになります。

原油CFDを扱うCFD会社の比較。銘柄、手数料、スプレッドなどなど。
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2049(VIXインバースETN)が2018年2月19日に早期償還するが償還価格は妥当なのか計算する
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おまけ。セミプロ向け情報

VIX先物、VIXオプションはinteractivebrokersでトレードできます。リンク先は日本語ページにしてありますが実際は英語で申し込みが必要です。ここは日本口座とアメリカ口座が分かれておりましてVIX先物、VIXオプションのトレードをするためにはアメリカ口座の開設が必要。APIでExcelに価格を引っ張ってきて計算させたりすることもできますがリアルタイムデータ料金は有料です。また投資資金は外国送金しなければならないので手間がかかります。海外の取引会社でのデリバティブの利益は個人の場合は雑所得で総合課税なので確定申告が面倒な上、大儲けしてしまうと累進課税なのでキツイです。法人口座も可能ですが法人口座はリアルタイムデータ料金がプロ向け料金になって高いという問題があります。

2018年12月下旬のVIX暴騰時の関連CFD等の動きを比較する

2018年12月下旬にアメリカ市場主導で株価が暴落しました。VIX指数は株価が暴落すると、逆に暴騰する性質がありますのでVIXは激しく上昇しました。しかしながら、VIX指数はアメリカの株価指数のオプションから計算された数値であって直接売買することはできず、代替品を売買せざるを得ません。我々一般人がCFD等で容易に売買できるものとしてVIX先物のCFD(GMOクリック証券CFDでの名称は米国VI)や、VIX連動型のETFのCFD(GMOクリック証券CFDでの名称は、米国VIブルETF、米国VIベアETF)があります。また東証で株と同じように売買できる銘柄として1552があります。これらを比較してみましょう。

下図は米国時間2018年10月1日から2019年1月8日における、VIX指数とVIX先物を重ね描きしたチャートになります。先物は一ヶ月ごとに消滅するため10月限(じゅうがつきり、と読む。じゅうがつゲンじゃないぞ)、11月限(じゅういちがつきり、と読む)、12月限、1月限を各々、描画してあります。クリスマスイブの暴落時にCFDの参照してる先物は1月限でしたが、VIX指数が36.07まで暴騰したのに対して、1月限の先物は25.90までしか上昇していません。先物は「未来のVIX指数の予想値」なので、このようなことはよくあります。当たったと思ったのに期待ほどではないのは、このためです。

VIX指数とVIX先物の比較(2018年10月~2019年1月)

では次に、米国VIブルETF(UVXY,プロシェアーズ・ウルトラ・VIX短期先物ETF)はどうだったか見てみましょう。このETFは、ざっくり言って「VIX先物の1日の変動率の1.5倍動く」という性質があり、VIXが数日連続で上昇したりしたような場合に爆発的に価格が上昇する性質があります。今回の下げでは、ほぼ連続して米国株価指数が下がったこともあり(ほぼ連続してVIXが上昇したこともあり)、ETF価格は大きく上昇していることが分かります。12月初旬の底で買って12/24のピークで売ると約1.8倍になっていますので、CFDでレバレッジをかけて相当な利益を享受した方もいらっしゃることでしょう。

VIX指数とUVXYの比較(2018年10月~2019年1月)

次に、米国VIベアETF(SVXY,プロシェアーズ・ショート・VIX短期先物ETF)はどうだったか見てみましょう。このETFは、ざっくり言って「VIX先物の1日の変動率の0.5倍、逆に動く」という性質があり、株価が上昇基調のときに、じわじわ上昇しやすい性質を有しています。もちろん、株価が暴落してVIX指数が急伸した場合は、このETFは価値が下がることになります。レバレッジが低いため米国VIブルETFと比べると、かなりマイルドな動きをしていることが分かります。なお「2049 NEXT NOTES S&P500 VIXインバースETN」は2018年2月に暴落して早期償還されました。SVXYも2049とほぼ同様の仕組みでしたが、SVXYは早期償還されず、現在も売買されています。但し、レバレッジが-1倍から-0.5倍に下げられていますが、一晩で半額以下に暴落する可能性があることは理解しておきましょう。

VIX指数とSVXYの比較(2018年10月~2019年1月)

最後に、証券口座で売買できるということで根強い人気を誇る「1552 国際のETF VIX短期先物指数」を見てみましょう。これは米国市場のVXXとほぼ同様の仕組みで円建てにしてあるETFであり、株価暴落時にVIX指数が上昇するとご覧のように暴騰する性質があります。しかしながら上昇幅は米国VIブルETFよりも小さく、また、長期保有すると大幅に減価する性質があるため、あくまでも短期決戦用銘柄でしょう。一番の難点は、アメリカのVIX先物に連動するのにも関わらず、アメリカ株が一番良く動く、アメリカの昼間(日本の夜)に売買できないことですね。この銘柄を売買するのであれば夜間にCFDで売買したほうが効率が良いと思いますが、株がメインの人は税金の関係もあるので、1552を選ばざるを得ない方もいるかもしれませんね。

VIX指数と1552の比較(2018年10月~2019年1月)
2049(VIXインバースETN)が2018年2月19日に早期償還するが償還価格は妥当なのか計算する
VIX投資する方法で一番簡単なのはCFD。先物・オプションは難易度高い。
VIX指数の計算方法(リンク先は英語、超難しい)
VIX先物の正式な説明(リンク先は英語でござる)

カタールのOPEC脱退の影響は

2018年12月3日、カタールはOPECからの脱退を表明しました。下図に示すようにカタールの原油生産量はOPEC生産量の2%程度であることから、原油の需給そのものには大きな影響は与えないでしょうが、OPECの結束に綻びを感じさせるという点での影響力は無視できないかもしれません。

カタールの原油生産量とOPEC生産量に対する割合

下図は2017年における世界のLNG輸出シェアです(ソースはStatistical Review of World Energy 2018)。カタールはLNG輸出シェアは堂々の一位です。つまりカタールの国家の収入源という点では原油よりも天然ガスのほうが重要であるというのは明らかであり、確かにOPECに加入しているメリットは殆どないのでしょう。サウジアラビアと仲が悪くで国家断交している状態というのもOPEC脱退の理由の一つであると思われます。

[barChart width=”500px” stacked=”1″ legend=”{ position: ‘top’, maxLines: 2 }” vaxis=”{title: ‘年’, titleTextStyle: {color:’blue’}}” haxis=”{title: ‘億 立方メートル’, titleTextStyle: {color: ‘blue’}}” title=”LNG輸出量シェア2017(BP Stats2018より筆者作成)”]
[‘Year’, ‘カタール’, ‘オーストラリア’, ‘マレーシア’, ‘ナイジェリア’, ‘インドネシア’, ‘アメリカ’, ‘アルジェリア’, ‘ロシア’, ‘トリニダード トバゴ’, ‘パプアニューギニア’, ‘オマーン’, ‘ブルネイ’, ‘アラブ首長国連邦’, ‘ノルウェー’, ‘ペルー’, ‘アンゴラ’, ‘赤道ギニア’, ‘その他’],
[‘2017’,1034, 759, 361, 278, 217, 174, 166, 155, 134, 115, 114, 91, 77, 58, 56, 50, 48, 45],
[/barChart]

日本は様々な国からLNGを輸入しておりますが、カタールは主力輸入先の一つです。東北の震災直後に大きく輸入量が伸びていますが、近年は少し減少傾向にあるようです。

[lineChart vaxis=”{title: ‘数量(万トン)’}” haxis=”{title: ”}” title=”日本のLNG年間輸入量(国別)”]
[‘ 年’, ‘オーストラリア’, ‘マレーシア’, ‘カタール’],
[‘1990’, 291, 638, 0],
[‘1991’, 386, 702, 0],
[‘1992’, 459, 712, 0],
[‘1993’, 488, 748, 0],
[‘1994’, 599, 785, 0],
[‘1995’, 682, 803, 0],
[‘1996’, 717, 921, 0],
[‘1997’, 701, 943, 196],
[‘1998’, 723, 984, 282],
[‘1999’, 722, 996, 470],
[‘2000’, 727,1096, 583],
[‘2001’, 750,1131, 644],
[‘2002’, 719,1069, 625],
[‘2003’, 760,1240, 673],
[‘2004’, 816,1238, 682],
[‘2005’,1015,1360, 633],
[‘2006’,1216,1202, 748],
[‘2007’,1207,1327, 817],
[‘2008’,1198,1313, 820],
[‘2009’,1193,1262, 773],
[‘2010’,1328,1395, 763],
[‘2011’,1398,1496,1186],
[‘2012’,1591,1461,1566],
[‘2013’,1792,1494,1606],
[‘2014’,1841,1494,1614],
[‘2015’,1862,1557,1464],
[‘2016’,2242,1549,1212],
[‘2017’,2567,1481,1013],
[/lineChart]

BP,Statistical Review of World Energy(統計資料をPDFで無料で見れます)
(Reutersの記事)カタール、OPEC脱退でサウジに見事な意趣返し
(Bloombergの記事)カタールのOPEC脱退、サウジとロシアの関係強化の影響反映か
原油CFDを扱うCFD会社の比較。銘柄、手数料、スプレッドなどなど。
日本の液化天然ガス(LNG,Liquid Natural Gas)の年間輸入量推移と輸入単価
2018年11月の天然ガス暴騰の件
天然ガス在庫推移(グラフ)
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原油生産量上位三国(サウジアラビア、ロシア、アメリカ)の原油生産量の推移

2017年1月から開始されたOPEC加盟国と一部の非加盟国(ロシア等)の協調減産は、当初2018年3月末でしたが、2017年11月30日に行われた会合で2018年末まで延長することで合意されました。ちなみに減産量はOPEC加盟国合計で約120万バレル/日、ロシア等の非加盟国で約60万バレル/日であり、合計すると約180万バレル/日です。この数字は一見、大きいんですが後述するように、実はそれほどでもなくなってきました。

下図は世界の原油生産量上位三国(サウジアラビア、ロシア、アメリカ)の2016年1月以降の原油生産量の推移です。ソースはOPECのMonthly Oil Market ReportとEIAのMonthly Crude Oil and Natural Gas Productionです。マンスリーレポートはPDFファイルとなっており誰でも無料で閲覧できます。EIAのデータも無料ダウンロードできます。ロシアとサウジの数値はPDFから手作業で拾ったものであり、多少の入力ミスはご容赦下さい(毎月のPDFファイルを開いてExcelに手入力して作成)。

サウジアラビア、ロシア、アメリカの2016年1月以降の原油生産量の推移

ロシアは減産開始直前に大増産を行っています。2017年1月以降は確かに2016年12月よりも減産していますが、減産直前の量を基準として減産目標を決めているため実質的な減産量は僅かです。その上、2018年秋以降は過去最大量の生産量となっているようです。

サウジアラビアは2017年1月から、グラフではっきり分かるほど減産開始し、2018年5月までは辛抱強く減産維持していましたが、遂に2018年6月から増産しています。アメリカへのイラン経済制裁でのイラン原油輸出量が減ることに対するの穴埋めという見方もできなくはないですが増加量を見る限りは、我慢の限界が来たように見えますね。

一方、アメリカの生産量はOPEC協調減産開始の2017年1月以降、ほぼ一貫して右肩上がりの増産となっています。2016年12月の生産量が878万バレル/日であったものが、2018年9月には1148万バレル/日となっており、OPECとロシアの減産量の合計量を上回る増産をしていることが分かります。この結果サウジ、ロシア、アメリカの原油の合計生産量は2016年1月から2018年9月にかけて約1割(300万バレル/日以上)も増加する結果となっています。つまりOPEC減産量の2倍以上、ここ2年で増加してるというわけです。

下図は同じ時間軸(2016~2018年)のWTI原油先物価格チャートです。イランへの経済制裁報道(トランプ大統領によるイラン産原油を買うな、発言)で高騰する日もありましたが、サウジとロシアが増産を始めた頃から上値が重くなり、10月に入って遂に崩れたように見えます。

2016~2018年のWTI原油先物チャート

サウジアラビアの原油の生産コストは非常に安いと言われています。しかしながらIMFの試算によるとサウジアラビアが財政均衡する原油価格(ブレント)は85ドルから87ドル程度のようです。ちなみに本稿執筆時点(2018年12月26日)でのブレント価格は54.47ドル、WTI原油価格は46.22ドルでした。OPECが減産できるのは高々120万バレル/日であることから、原油価格維持のために減産に力を入れたとしても今後は焼け石に水の可能性があります。このように考えると、OPECが再び協調減産したとしても原油価格は高値に戻る可能性はあまり高くなさそうです。米国のシェールオイルの生産コストは60ドルという話もありますがもっと低い企業が多くあるのでしょうね。技術の進歩だけでなくトランプ大統領になってから規制緩和されたことによるコストダウンも寄与しているのかもしれません。

原油価格の下げ期間は、想像よりも遥かに長期化することがある
アメリカの原油及び石油製品の輸入量及び輸出量の推移
米シェール企業は減産を検討しつつあると言ってるけど本気なんだろうか?
原油CFDを扱うCFD会社の比較。銘柄、手数料、スプレッドなどなど。
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