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EIA原油在庫統計発表を利用してカナダドルのスキャルピング(短期トレード)

2017/05/27

カナダドルは産油国通貨として原油価格と相関が高いことが知られています(ほかにもノルウェークローネやメキシコペソなども相関が高い)。カナダドルと原油価格(WTI原油先物価格)を日足で比較してみるとかなり似通った動きをします。ただしCAD/JPY(カナダドルの対円のレート)の場合は、円の影響が強く出てしまうため、CAD/USD(カナダドルの対ドルのレート)のほうが相関は高くなります。原油価格はドル建てですから、カナダドルも対ドルレートで見たほうが良いだろうということです。時間軸を縮めて分足で比較した場合でもWTIとCAD/USDには強い相関が見られます。このため毎週のEIA在庫統計発表統計発表時に原油価格が急変動すると、カナダドルも連れて急変動する傾向が見られます。これを利用して原油在庫統計での急変動をトリガーとしたカナダドルの短期トレードを行うことができると思います。以下にEIA在庫発表前後での比較例を2つ挙げておきます。

(例1)2016年10月26日のEIA統計発表前後
2016年10月26日のEIA統計発表前後のWTI原油先物の動き(1分足チャート)

2016年10月26日のEIA統計発表前後のGLOBEXカナダドル先物の動き(1分足チャート)

※図中でGLOBEXと書いてあるのは世界屈指のデリバティブ取引所を束ねるCME Groupが運営する24時間稼働の電子取引システムのことで、通貨先物のCAD/USDが活発に売買されています。図中ではそのデータを使用しています。ただしWTI及びCAD/USDのチャートはTickデータではなく1分足の終値を使用したため実際の値動きを完全には反映していません。なお、原油CFDや店頭FXの価格は、店頭取引ですから取引所価格と同じ価格で取引できるとは限りません。

(例2)2016年11月2日のEIA統計発表前後
2016年11月2日のEIA統計発表前後のWTI原油先物の動き(1分足チャート)

2016年11月2日のEIA統計発表前後のGLOBEXカナダドル先物の動き(1分足チャート)

2016年11月2日の場合は原油価格がリバウンドする前にカナダドルがけっこう大きくリバウンドしてます。相関が高いとはいえ、もともと別の銘柄ですので完璧に同じ動きをするわけではありません。

実戦上の注意点は4つあります。

一つ目は似た動きをすることが多いといっても原油とカナダドルは別の銘柄ですから、まったく別々の動きをすることがある、ということです。スプレッドの点でCFDよりFXが有利だとしても期待通りの動きをしないことは十分にありえます。

二つ目はEIAの在庫統計発表時間です。毎週水曜日の09:30CST(アメリカ中部標準時間)に発表されるのですが、アメリカにはサマータイムがあるため日本時間が夏と冬では1時間違います。2017年11月5日以前は日本時間では毎週水曜日の23:30となりますが、それ以降は1時間遅い24:30となります。また、米国の休日の関係で発表日そのものが後ろにずれることもありますので発表スケジュールは毎週確認したほうが良いでしょう。

三つ目は、CAD/JPY(カナダドルの対円のレート)の場合は原油価格だけでなく円の強弱の影響を受け易いので、CAD/USD(カナダドルの対ドルのレート)のほうが、この種のトレードには向いていると考えられることです(原油高&円高となるときがけっこうある)。

四つ目は筆者が探した限り日本国内FX会社ではCAD/USDの扱いがなく、逆表示のUSD/CADとなっていることです。WTIのリアルタイムチャートとCAD/USDのリアルタイムチャートの場合は、おおむね同じ方向に動くのですが、USD/CADのチャートは逆に動くので(原油が上に行くときに下に行くので)、慣れないとかなりやりづらいです。カナダドルのほうが原油CFDよりもスプレッドが狭い場合が多いので、EIA在庫発表前後でのスキャルピング(短期トレード)を行うのであればカナダドルのほうが若干有利かもしれません。

カナダドルの対ドルレート(USD/CAD)のFX取り扱いがある大手FX会社は例えば、DMM FXヒロセ通商外為オンラインなどがあります。ヒロセ通商はノルウェークローネの取り扱いもあります。

注目すべき毎週発表される原油統計2つ
原油価格が上がるとカナダドルも上がる?
原油価格が100ドルになるとカナダドルやノルウェークローネはどれくらい上がる?
原油価格とカナダドルの関係を分足で比較してみた

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