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ロールオーバー

原油CFDの売買差金が爆益でも、価格調整額を合計したら大した利益にならないときがある

2017/04/11

CFDの価格調整額は、積み重なると大きな金額になります。FXのスワップよりも体感的にかなり大きな金額です。下図は2016年1月から6月の原油先物チャートです。原油CFDのロールオーバーの影響を説明するため、多くの先物限月を載せました。

2016年1月から6月における、WTI原油先物の多限月の重ね描き
2016年1月4日に原油CFDを36.76で買い建てたとします。このときのCFDの参照限月は2016年2月限でした。その後、買い建て玉を半年ほど維持し、2016年6月10日に49.72で決済したとします。このときのCFDの参照限月は2016年8月限でした。36.76で買って49.72で売ったので一見、12.96ドルの大きな利益を獲得したように見えますが、損益計算では途中6回のロールオーバー時に支払った価格調整金を考慮しなければなりません。取引会社によって日にちは異なりますが、ここでは毎月ニューヨーク市場の第5営業日の終値でロールオーバーしたと仮定します。すると2月限→3月限のロールオーバーでの価格調整額は1.16ドルの支払い、3月限→4月限は1.83ドルの支払い、4月限→5月限は1.92ドルの支払い、5月限→6月限は1.23ドルの支払い、6月限→7月限は0.66ドルの支払い、7月限→8月限は0.56ドルの支払いとなり、合計の支払い額はなんと7.36ドルにも達します。原油CFDの売買差金は12.96ドルでしたが、価格調整額が7.36ドルもあるため、実質的な利益は12.96-7.36=5.60ドルにしかなりません。価格調整額は取引会社がポケットに入れているわけではなく、取引機構上、やむを得ず発生するものです。原油CFDではなく自分で先物市場で同様の取引をしても、同じ目に遭います。

価格低迷時は期近よりも期先高いコンタンゴ状態となりやすく、期近ほどダラダラと下がりやすい(あるいは上値が重い)傾向があるため、原油CFDを買い建てした状態で何度かロールオーバーを繰り返すと、本例のように価格調整額の支払い額が積みあがって行くことが多いです。十分注意しましょう。

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