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2020年の原油価格の見通しと投資戦略へのヒント

2020/04/04

2020年の原油価格は波乱に次ぐ波乱の展開となっています。コロナウイルスによる世界の原油需要の低下予測に加え、サウジアラビアの価格破壊宣言により、完全に原油マーケットは壊れてしまいました。

昨年まではOPECの減産により原油価格は現在よりも高値安定していたわけですが、OPECシェアをアメリカが奪う形になっていたことを考慮すると、そう簡単にOPEC、ロシア、アメリカは妥協点を見い出せないのではないでしょうか。特にアメリカの場合は、原油生産者は民間企業ですからOPECやロシアのように国の意向で生産量を調整できないわけですから、価格低迷による市場からの淘汰という形でシェール関連業者が倒れるまで、この戦いが長期化する可能性が否定できません。

下図は過去の原油価格暴落後に、原油価格が持ち直すまでの様子を比較したものです。
原油価格の下落期間の比較
リーマンショック時は約150ドルの高値から120日かけて40ドルまで到達し、そこから60ドルまで戻るまで100日程度要しています(これは営業日ベースですから20日=一ヶ月で換算して下さい)。今回のコロナショック&サウジアラビア大増産ショックによる価格下落速度はリーマンショック時を上回る速度です。リーマンショックと比較すると、当面の間は、原油価格が底練りを続ける可能性が高いと筆者は見ています。

下図は2008~2009年頃(パリバショックからリーマンショック時)のWTI原油先物のフォワードカーブ形状を示したものです。
WTIのフォワードカーブ(リーマンショック時)
フォワードカーブとは期限が短い先物の価格を基準にして、期限が長い先物価格の価格を期間ごとにつないでいったもので、需給関係を予想するためには有用です。期限が短い先物価格ほど極端に安い場合は、「原油が投げ売り状態」であることを示しており、一旦、このような状態になると抜け出すまでには長い時間がかかることが多いです。

下図は2020年1~3月頃(コロナショック&サウジアラビア大増産ショック)における、WTI原油先物のフォワードカーブ形状を示したものです。リーマンショック時と比べると、まだマシですが、12ヵ月先の先物価格から見ると、最も期限が短い先物価格は10ドルも安い状態、すなわち、投げ売り状態となっています。

WTIフォワードカーブ(コロナショック)

このような大コンタンゴ状態のフォワードカーブが、短期間にバックワーディションになる可能性は低いため、原油ETFの長期保有、CFDでの長期保有は、かなり不利になる可能性が高いと考えられます。もし買いを検討しているのであれば、ETFとCFDの不利な点を理解した上で短期勝負前提としたほうが良いと思います。短期勝負であればCFDのほうが有利です。理由は単純でETFは東証が開いてる時間(9:00-15:00)しか売買できないのに対しCFDは海外市場が開いてる時間は売買できるので夕方~早朝での取引チャンスを逃さないからです。

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