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原油がいきなり10ドルも下がったのはコロナ騒ぎではなくてサウジアラビアの大増産宣言

2020/03/18

2020年3月9日に原油がいきなり10ドルほど暴落しました。コロナウイルスの影響だと思っている方が多いようなのですけど、主要な原因はサウジアラビアの大増産宣言のためです。コロナの影響で需要が減るだろうという状況下での増産宣言がトドメという感じです。

最近の主なトピックを箇条書きすると以下の通りであります。

・サウジがロシアに「追加減産」を打診する(2月末頃)。しかし、決裂してしまった。
・3月末で期限が切れる「従来から実施していた協調減産」すら延長しないことを決定(3/6)。このため3/6に原油は5ドル下落。
・その上、ロシアが「4月からどの国も好きなだけ生産できる」と煽る(余計なことを。。。)
・それにブチ切れたサウジが超・大増産発表(3/8の日曜)。過去最大の日量1200万バレルまで増やすこともできると非公式に発表。
・3/9月曜には原油が10ドルギャップダウン(NY時間で日曜の夜に原油の取引が始まるのだけど、いきなり暴落)
・3/10頃にロシアが「近い将来に日量50万バレルの増産もあり得る」と言い出す

こんな感じなのでサウジとロシアが再び手を結ぶ可能性は低いと考えられます。

で、サウジの言うところの過去最大の日量1200万バレルとは、どの程度か分かる図がこれです。まさに大増産と言える量。
top 3 crudeoil production countries

ちなみにOPEC及びロシアは、以前は手を組んで協調減産していたわけですが、結果として、下図のようにOPEC(主にサウジ)のシェアをアメリカが全部奪った形になっています。

opec vs us crude production

下図は3/6時点(サウジがブチ切れる前)のWTI原油先物のフォワードカーブです。
WTI forward curve

フォワードカーブとは期限が短い先物を基準に、期限が先の先物の価格が高いか安いかをつないだもの。期限が先のものほど価格が高いので「将来値上がりする」と誤解する人が多いですが、違います。投げ売り状態なので期限が短いものが安い、と考えるべきです。このような状態をコンタンゴ(順鞘、じゅんざや)といいますが、コンタンゴのときはETFの買い持ちや、CFDの買い持ちはロールオーバー時に大変損ですので、原油が安いからと言って安易に買うのは危ないです。短期リバウンド狙いは良いですが長期買い持ちは想像以上に不利です。

OPECが減産してもアメリカが増産するから需給がなかなか均衡しない
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