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天然ガスも季節傾向を利用できるけれど原油とはタイミングが違う!

2018/12/31

原油や天然ガスなどのエネルギー先物や、種まきと収穫の時期がある農産物先物は、季節的(シーズナル)傾向を売買に利用することができます。米国において天然ガス価格が年間の高値をつけるのは暖房需要の高まる冬場です。寒波到来のニュースのたびに吹き上げる年が多いです。そして冬から春にかけて価格が下落したあと、6月~7月上旬にかけて再び価格が上昇し、その後、秋口にかけて下落に転じるのが毎年おきまりのパターンです。本記事執筆は7月ですので、夏場の傾向について調べて見ましょう。

※冬場の傾向に関してはこちらの記事をどうぞ。
2018年11月の天然ガス暴騰の件

下図は2007~2011年、及び2012~2016年における、6~8月の米国天然ガス先物価格の推移です(2016年は6月末までしか反映されておりません)。相対比較のため6月第一営業日を100としてあります。実際はそれほど簡単に行かないのでしょうが、2012年を除くほとんどの年で6~7月にうまく売れば、その後に十分な利益を得られそうに見えます。

2007~2011年における、天然ガス先物6~8月の季節傾向を示す相対チャート

2012~2016年における、天然ガス先物6~8月の季節傾向を示す相対チャート

天然ガス及び原油は発電用の燃料として広く使用されていますが、発電コストを下げるために相対的に安価な燃料の使用割合を増やすはずです。現実的には無理でしょうが両者が完全に代替できると仮定すれば、6~8月の原油の価格変動も天然ガスと同様の傾向を示す可能性があります。さっそく同時期における原油価格を見てみましょう。

2007~2011年における、原油先物の6~8月の季節傾向を示す相対チャート

2012~2016年における、原油先物の6~8月の季節傾向を示す相対チャート

残念ながら、天然ガスのような分かりやすい傾向は見られませんでした。
燃料の代替化という観点では、熱量あたりのコストを比較すれば良いはずです。単純に、原油価格と天然ガス価格の比を比較すれば、ざっくりした傾向を把握することができます。早速やってみます。

2007~2011年における、原油先物と天然ガス先物の価格比のチャート(期間6~8月)

2012~2016年における、原油先物と天然ガス先物の価格比のチャート(期間6~8月)

もし、燃料の代替化が機敏かつ大規模に行われることが可能であれば、原油と天然ガスの価格比は一定の狭い範囲に収斂するだろうと予想したのですが、筆者の予想はまるで外れて、価格比はかなり広い範囲に分布する結果となりました。原油と天然ガスの価格比を監視しながらそれをトレードに活かすのは少々難しそうです。市場規模としては原油のほうが巨大ですから、天然ガスの動きに原油がついてくる、という考え方が甘かったようです。

2018年11月の天然ガス暴騰の件
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