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原油高だがドル高のために産油国通貨(カナダドル、ノルウェークローネ)が上値重い

2017/05/30

原油価格は為替(FX)と相関があります。なかでも、カナダドルやノルウェークローネのような産油国通貨は原油価格との相関が高いことが知られていますが、世界の通貨取引の中核を担うのは言うまでもなくアメリカドルですから、アメリカの金融政策は要チェックです。

米国はリーマンショック以降、低金利政策を続けてきましたが、2016年12月14日の米連邦準備理事会(FRB)で、FF金利(フェデラルファンド金利)の誘導目標を0.25%引き上げて0.50-0.75%とする決定をしました。これは突然決まったわけではなくて、過去の米連邦公開市場委員会(FOMC)で何度も議論して「そのうち利上げするぞ」という雰囲気を醸し出していたので、特段のサプライズではなく予定通りの利上げが行われた、というのが大筋の見方です。私個人の予想では、材料出尽くしで一旦円高に振れるかと思ったのですが、ドル高に振れましたね。為替の動きは本当に難しいです。

それはさておき米ドルの金利が高くなれば、ドルは強くなります。ドルが強くなると(USダラーインデックスが強くなると)、過去の傾向からは、金(ゴールド)や原油価格は上値が抑えられる傾向があります。また、以前の検討において、カナダドル(対ドルレート)や、ノルウェークローネ(対ドルレート)は、原油価格との相関が強いことを示しましたが、最近のドル高の影響を受けたせいか、OPEC減産ニュース(2016年11月30日のOPEC協調減産決定、2016年12月10日に非OPECも減産決定)で原油価格が大きく跳ね上がった割に、原油価格と相関の強いカナダドルやノルウェークローネは対ドルで上値が重くなってます(下図の右の端っこのほう)。

WTI原油とカナダドルの関係2015年1月~2016年12月

WTI原油とカナダドルの関係2015年1月~2016年12月

原油ETF/ETNで投資する場合はコンタンゴによる減価があるので、FXでカナダドルやノルウェークローネを買い持ちしたほうが利益になるのではないかと筆者は考えておりましたが、ドル高の影響でこんなに上げ渋るとは思いませんでした。しかし少し言い訳させてもらうと、2016年1月~5月の原油の上げ相場においては、原油ETFではロールオーバーによる減価で期待以下のパフォーマンスだったと考えられますが、カナダドルやノルウェークローネ(いずれも対ドルレート)は、ロールオーバーによる減価が無いわけだから、そこそこのパフォーマンスでした。

2016年1月4日のWTI原油価格は36.76ドル、2016年5月31日は49.10ドルでした。約33%の上昇ですが、ETFに投資している場合は、ロールオーバの影響によりこの上昇を享受できませんでした。為替の影響を取り除くために、米国市場の原油ETFであるUSO(United States Oil Fund)の価格を見ると、2016年1月4日の価格は10.98ドル、2016年5月31日は11.87ドルでした。つまり、8%しか値上がりしていません。同時期の東証の原油ETF価格を見てみましょう。1699(NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス上場投信)の2016年1月4日の始値は390円、2016年5月31日の終値は388円でした。少々円高になった影響で全然上がってませんね。

FXの場合は原油ETFで顕著なロールオーバー損がないので、「原油と相関が強い通貨」を低レバで買って粘る、という方法でそこそこいけると筆者は考えていましたが、最近のドル高の影響が思いのほか大きく、最近のカナダドルやノルウェークローネのパフォーマンスは期待以下でした。ちょっと残念。筆者はカナダドルは超低レバで少しだけ買い持ちで放置してます。

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