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FX カナダドル サヤ取り ノルウェークローネ

カナダドルとノルウェークローネでFXサヤトリやってみました

2017/04/11

カナダドル(CADJPY)とノルウェークローネ(NOKJPY)は、どちらも原油価格と相関が強いという特徴があります。通貨の強弱は相対的なものであって絶対的理論値など存在しませんが、ファンダメンタルズ的に根拠があるかどうか筆者が考えた範囲においては、カナダドルは原油埋蔵量の点で原油価格との相関が強く、ノルウェークローネは原油輸出量の点で原油価格との相関が強いと考えております。これを根拠に筆者はカナダドルはノルウェークローネの2通貨を使用して「FXサヤトリ」が可能ではないかと考えており、今回、実際に自分のお金を使って実験してみました。ちなみに筆者は商品先物でのサヤトリ歴は15年以上であり、何かを買ってヘッジで何かを売るという売買は昔から得意です。

下図は2016年2月以降の、「カナダドル(CADJPY)からノルウェークローネ(NOKJPY)の6倍を引いたサヤ」と、「カナダドル(CADJPY)」「ノルウェークローネ(NOKJPY)の6倍」を重ね描きしたチャートです。筆者はこのサヤが当面の間、5~7円のレンジ相場であると予想し、サヤが約6円を超えて拡大したときに縮小狙いを仕掛けました。

2016年2月~7月のカナダドルとノルウェークローネのサヤチャート

売買内容は以下の通りです。

通貨ペア 売買 通貨の量 価格
CADJPY 10000 77.602
NOKJPY 60000 11.920

仕込んだサヤは77.602-11.920x6=6.082でした。6.4くらいで仕込もうとしたのですが、まずカナダドルを売ってから、クローネを買おうとしたら、どんどん価格が動いてしまったので当初予定より不利なサヤで仕込みとなってしまいました。同時に成行注文で仕込めば良かったんですが仕方ありません。必要証拠金は10万円くらいかかるかと思っていましたが僅か63000円で済みました。

ところで、ノルウェークローネ(NOKJPY)を扱っているFX会社はあまりなく、しかも1万通貨単位で売買できるところは非常に少なく(クローネは10万通貨単位のところが多い)、ようやく見つけたのはヒロセ通商でした。ヒロセ通商はFX会社の中ではけっこう歴史が長く、外為法が改正されて日本でFX会社がたくさん設立された黎明期から存在する会社です。なぜ「1万通貨単位」にこだわるかというと「カナダドル(CADJPY)からノルウェークローネ(NOKJPY)の6倍を引いたサヤ」を売買するためには「カナダドルを1万通貨、ノルウェークローネを6万通貨」としたいからです。

もし、「ノルウェークローネは10万通貨単位」だとすると、「カナダドルを5万通貨、ノルウェークローネは30万通貨」としなければならず、細かい売買ができないという問題があります。売買規模が大きい人は10万通貨単位のFX会社でも差し支えないと思いますが、まずは練習から開始したい人は1万通貨単位でノルウェークローネを売買できるFX会社が良いと思います。どんな売買でも「練習」が必要です。「つもり売買」ではダメで、実際にお金を賭けて練習することが必要です。というのは、実際に負けている状態のときの心理状態はリアルマネーを賭けているときでないと理解できないからです。ちょっと脱線しましたね。クローネは10万通貨単位でもかまわないひとは、例えば外為オンラインのくりっく365などで取り扱いがあります。「くりっく365」はFXの価格提示を複数のマーケットメーカーが行っていることからbid/askが狭いという特徴があります。

仕掛けた翌日くらいに含み益が1000円くらいになったのですが、千円拾うために仕掛けたわけじゃないので当然放置です。しかし1週間くらい経過したら(7/15頃)、逆に動いて含み損がマイナス8000円くらいになってしまいました。最大1回だけナンピンする計画でしたので、「もう少し損が拡大するまで待つか」と思って待っていたのですが、反転してしまったのでナンピンするチャンスを逸しました。

ナンピンというのは、負けているときに追加で仕込んで平均値を有利にすることです。最初6.082円のサヤで縮小狙いを行ったので、逆行して7円超えまで拡大したところで縮小狙いを追加するような売買がナンピンです。平均値が約6.5円に改善しますからね。ただし建て玉の量が増えるのでリスクも増えるので注意が必要です。

サヤの動きはマイルドなので、筆者は毎日細かく価格チェックしません。8月に入り、そろそろ儲かったかと思ってヒロセ通商のLION FXというツールにログインすると、おっと久しぶりに含み益がプラスになってました。しかし、よーく見ると、カナダドルもクローネもどっちもスワップが支払いになってるではありませんか!5000~10000円の利益になるだろうと思っていたんですが、粘るとスワップが馬鹿にならんなあと思い、一旦ここで利益確定することにしました。決済した内容は以下の通りです。

通貨ペア 売買 通貨の量 価格 売買差金 スワップ
CADJPY 買い決済 10000 78.617 -10150 -702
NOKJPY 売り決済 60000 12.151 +13860 -702

つまり、売買差金は+13860-10150=3710円、スワップが-702-702=-1404円、合計3710-1404=+2306円となりました。証拠金63000円に対して2306円なので、少々不満が残るものの初戦としては、こんなもんでしょう。途中でナンピンしていたとすれば、証拠金約12万に対して利益は1万円程度になっていたはずなので少々悔しいです。動きがマイルドなサヤトリとしては、なかなか悪くないと思います。ちなみに商品先物のサヤトリでは「資金10万円使って1~2万円の利益を取りに行く」のは、ありがちな売買です(そもそも10万円使って5万円取りに行くような売買は長続きしません)。

実際の売買結果の画面を以下に示します(横長で見難い)。
ヒロセ通商で実際にカナダドルとノルウェークローネのサヤトリを行った結果の画面キャプチャー

今回のFXサヤトリの反省点は以下の通りです。
(a)ノルウェークローネ(NOKJPY)のbid/askの開きがけっこう痛い
(b)カナダドルとクローネが両方ともマイナススワップなのは誤算だった

(a)について補足します。bid/askの開きは例えば12.153/12.183のような感じで3銭程度なのですが、カナダドルとのサヤを考えるために6倍して考えると、実質72.918/73.098ということになります。このため有利なサヤで仕掛けるのがけっこう難しかったです。(b)について補足します。片方が買いで片方が売りなので、どっちかはスワップがプラスだろうなと思っていたのですが、両方ともマイナスというのは誤算でした。マイナススワップが積み重なる速さよりサヤの変動のほうが速いので気にせず仕込めば良いのですが、サヤ変動が想定よりも長期化した場合は、苦戦する材料になりそうです。

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