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ドバイ原油先物でコンタンゴ拡大を狙うサヤトリ

2017/04/28

WTI原油先物は10~12月頃に期近先物が期先先物に対して相対的に安くなりやすいです。その理由についてはここで詳しく考察しました。

個人投資家の立場ではWTI原油先物でコンタンゴ拡大狙いのポジションを構築するのは困難です。原油CFDは限月が1つしかありませんので、秋にWTI原油先物のコンタンゴが拡大しやすい現象を直接収益化することができません。そこで注目したいのが、東京商品取引所で取引されているドバイ原油です。ドバイ原油はWTI原油とは異なる原油ですが、多少動きが渋くなるものの、似たような傾向が見られるからです。

下図は2012年~2016年における東京商品取引所のドバイ原油先物の「翌年3月と1月の価格差」のチャートです。地味ながらも10~11月半ば頃にかけてコンタンゴが拡大(あるいはバックワーディションが縮小)する傾向が見られます。これを地味に収益化する方法がサヤトリという取引手法です。鞘(サヤ)は英語でスプレッド(Spread)と言いますので、決済期限の異なる先物(Futures)の限月間のサヤトリ(鞘取り)は英語ではカレンダースプレッド(Calendar Spread)と呼びます。
ドバイ原油先物のサヤ(翌年3月-1月) 2012-2016

東京商品取引所ではSCO注文(スタンダード コンビネーション オーダー)という注文が用意されており「2つの原油先物の価格差で指値して売買」することが可能です。下図はEVOLUTION JAPAN株式会社の取引ツールで見た、2017年2月限のドバイ原油先物の価格と、2017年4月限のドバイ原油先物の価格を示しています。上のチャートの例では3月と1月だったのに、ここでは4月と2月になってしまいましたが気にせず読んで下さい。
EVOLUTION JAPAN証券のドバイ原油先物の価格表の一例

17/02というのは2017年2月限という意味です。左側の欄はとりあえず無視して右側の板画面を見て下さい。板画面というのは売りたい人の指値とその数量、買いたい人の指値とその数量を見やすく並べたものです。17/02の板画面を見て分かることは、28910円で3枚売りたい人がいる、28920円で1枚売りたい人がいる、28930円で5枚売りたい人がいる、というようなことです。逆に買いたい人は、28860円で1枚買いたい人がいる、28850円で2枚買いたい人がいる、というようなことがわかります。1枚というのは最小取引単位で50KL(キロリットル)に相当します。表示価格は1KLあたりの価格ですので、もし1枚買って価格が10円動くと損益は500円動きます。100円動けば5000円です。

いま、コンタンゴ拡大狙いの建て玉をしたい場合、つまり、期限が短い先物を売って期限が長い先物を買いたい場合、2017年2月限のドバイ原油先物は28860円で売ることができ、2017年4月限のドバイ原油先物は29610円で買うことができます。これは買いたい人がいる値段しか売れないし、売りたい人がいる値段でしか買えないからです。このときの値鞘は29610-28860=750円となります。
一方、逆に期限が短い先物を買って期限が長い先物を売りたい場合は、2017年2月限のドバイ原油先物は28910円で買うことができ、2017年4月限のドバイ原油先物は29590円で売ることができます。このときの値鞘は29590-28910=680円となります。

2つの限月の原油先物で各々売買することで、コンタンゴ拡大狙いを行うこともできますが、各々の先物は各々価格が動いており、しかも有利な値鞘で仕込むのは結構むずかしいです。このような場合、SCO注文を使うことで自分の指値した値鞘で注文を成立させることができます。

下図は2017年2月限と2017年4月限と値鞘を示す板画面(鞘気配)です(一番上の欄で鞘気配を選び、限月を17/02と17/04の2つを選べばOK)。各々の先物の板と、値鞘の板(鞘気配)は、別の存在ですので、各々の先物の板から計算した値鞘と、値鞘の板画面(鞘気配)は必ずしも一致しません(裁定取引を通して矛盾ないように価格形成されています)。ここで混乱しやすいのは、コンタンゴ(先物のほうが価格が高い状態)の場合、価格がマイナス表示されるということです。私個人のExcelチャートではコンタンゴはプラスで表示してるんですが、一般に取引所のシステムでは、コンタンゴはマイナス表示が一般的です(NYMEXでもCMEでもTOCOMでも)。期限の短い先物価格から期限が長い先物価格を引いた価格を示すようになっているからです。

EVOLUTION JAPAN証券のドバイ原油先物のサヤ気配値の一例
値鞘を示す板画面(鞘気配)を見ると、売り気配値を見るとマイナス660円で2枚売り、買い気配値はマイナス710円で1枚買い、となっています。これがどういう意味かというと、「660円の値鞘で2017年2月限売り&2017年4月限買いを各々2枚ずつしたい人がいる」、「710円の値鞘で2017年2月限買い&2017年4月限売りを各々1枚ずつしたい人がいる」ということを意味します。私はコンタンゴ拡大狙いをしたいので、この板画面で即座に注文を成立させようとするならマイナス710円で売り注文を出せば、「710円の値鞘で2017年2月限売り&2017年4月限売りを各々1枚ずつ同時に成立」させることができます。

SCO注文はコンビネーション注文を使用します。
EVOLUTION JAPAN証券でのSCO注文の出し方の一例
「SCO」と「SCO(商品間)」がありますが「SCO」を選択します。一番左の欄は両方とも新規を選びます。東京商品取引所では新しく注文を出すことを「新規」注文と言い、決済する注文を出すことを「仕切」注文と言います。いちいち指示しなければならないので面倒ですが、年末に損してるほうを先に決済して今年の税金を減らす、みたいなことができるので、それはそれで便利です。次に執行条件は「指値 FaS」を選びます。商品は東京原油です。限月は期限が短い期近を上側の欄で選択し、期限が長い期先は下側の欄で選択します。枚数はここでは1枚です(2月と4月を1枚ずつ、という意味です)。コンタンゴ拡大狙いをする場合は期限が短い先物を売って期限が長い先物を買うわけですので、上側の欄を売り、下側の欄を買いにします。現在値段は参考表示されているだけです。というのは値鞘で指値するわけですので、価格の絶対値はあまり関係ないです。指定値段の欄が間違いやすいですが、順鞘時はマイナスを選びましょう。私は半年に1回くらいマイナスを付け忘れたり、限月の選択をミスって損していますが、皆さんはそんなことがないように十分気をつけましょう。特に符号を間違えると大損な価格で約定してしまう可能性があるので何度も確認しましょうね。

ドバイ原油のサヤトリは非常に地味ですが、原油価格の上げ下げを当てるよりはサヤの動きのほうが読みやすく、またゆっくり動くのでじっくり分割して大量に仕掛けることでけっこうな利益を得られることもあります。投機ではなく投資として原油市場を利用されたい方にとっては研究に値する手法だと思います。

SCO注文が使える商品先物会社は少数派で、EVOLUTION JAPAN株式会社[EVOCX]、日産証券などがあります。この2社は取引システムは、ほぼ同じで(見た目は完全に同じにしか見えない)、使い勝手に差はありません。EVOLUTION JAPANのほうは情報提供が充実しているのが強みです。EIAの在庫統計はもちろんのこと、様々な統計情報を見れるNSNET(日本先物情報ネットワーク)を無料で使えるので便利。ただし手数料は日産証券のほうが少し安いです。私はどっちも口座持っていて、戦略毎に口座を使い分けてます。

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