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FRBによるジャンクボンド購入はシェール企業を延命させ、WTIのコンタンゴを長期化させるのではないか?

OPECプラス(OPECとロシア等)は、2020年5月1日から日量970万バレルの減産に合意していますが、新型コロナウイルスの世界的大流行による需要量の著しい低下を考慮すると、減産量は生ぬるいと言わざるを得ません。しかしながら貯蔵量には限界があるため、生産量はいずれは嫌でも減って行くことが予想されます。

ところで、FRB(米連邦準備制度理事会)が2020年4月9日に投機的格付けの社債(いわゆるジャンクボンド)の購入に踏み切りました。下図はジャンクボンドETFであるHYGと、オイルセクターを除いたジャンクボンドETFのHYXEの比較チャートですが、どちらも大きく反発していることが分かります。これが何を意味するか簡単に言うと、ヤバイ会社の社債をFRBが買うことにしたので、シェール企業を含む財務的にヤバイ会社の資金繰りが助かる、ということになります。

HYGとHYXEの比較

本来は原油価格下落によって資金繰りに困ったシェール企業が倒産や他社に買収される等の形で淘汰されることで生産量が減少するはずだったのに、FRBの施策によって淘汰が進まなくなり、原油生産に歯止めがかからない可能性が出てくるかもしれません。シェール企業が沢山倒産すると今以上に失業者があふれるため仕方ないとは思いますが。

一方、テキサス鉄道委員会(米国で原油生産量が最も多いテキサス州のエネルギー分野の規制当局)が原油の生産制限の導入について検討を始めましたが、もともとアメリカは市場競争原理を重視する国ですので、反対論が根強いようです。

このような状況ですのでアメリカ国内では貯蔵限界が近いにもかかわらず原油生産削減がなかなか進まず、大幅なコンタンゴが長期化する可能性が高いだろうと筆者は見ています。下図は2020年4月24日におけるWTI原油先物、ブレント原油先物、ドバイ原油先物のフォワードカーブの比較です。WTIの期近付近の落ち込みが相対的に大きいことが分かると思います。このような大コンタンゴ時は原油ETFの長期買い持ちは想像以上に不利なので注意しましょう。

forward_curve_Brent_WTI_Dubai

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