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コロナにより石油需要が急減し在庫が積みあがり価格下落を招いている

2020/04/17

米国では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴う外出禁止令により原油及び石油製品の需要が大幅に減少しています。下図は2020年4月15日に発表されたアメリカ原油在庫量です。見ての通り急激に在庫量が増加していることが分かります。

EIA原油在庫2020/4/15

下図はアメリカのガソリン在庫量です。車社会のアメリカでは春頃からガソリン消費量が増加して在庫が取り崩されていくのが例年の傾向ですが今年はコロナによる外出禁止の影響でガソリン消費量が激減し、在庫が急増しています。

EIAガソリン在庫2020/4/15

下図はガソリン需要期(先物の7月限)のクラックスプレッドの推移です。ガソリンクラックスプレッドとは、ガソリン価格と原油価格の差のことです。原油を加工してガソリンを作ることから原油価格よりもガソリン価格のほうが価格が高くなるのが通常の状態なのですが、今年の場合は需要が激減した影響でガソリン価格が原油価格よりも更に大幅に下落したため、ガソリンのクラックスプレッドが一時的にマイナスになってしまいました。ガソリンクラックがマイナスになるのはリーマンショック以来であり、しかもその変動速度はリーマンショック時の5倍くらいの速さでした。

NYMEX RB Crack Spread

クラックスプレッドがマイナスのまま生産を続けると製油所(石油の精製業者)は赤字が増える一方なので、当然のことながら稼働率を下げて対応しています。なお、2017年9月に稼働率が急低下しているのはハリケーンによる影響です。
アメリカ製油所稼働率

コロナの収束は、短期間のうちに「ハイ、もう大丈夫」という形にはならないだろうと筆者は見ています。つまり外出禁止命令が発令されなくなった後であっても、外出自粛しなければならない状況が長期化する可能性が高いと見ています。このため原油価格、ガソリン価格は、なかなか上がらないかもしれません。一方、効果的なワクチンが開発されれば状況は一変するわけで、、、どうなるかは分かりません。

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