初心者向け。逆指値注文を原油CFD&先物の短期トレードに活用する方法。
2017/04/11
筆者が石油のトレードを始めたのは東京商品取引所(当時は東京工業品取引所)にガソリン先物が上場された1999年でした。当時は全部「成行」注文を出してました。仕事中にトイレに隠れてi-mode携帯で注文を出すためには、指値なんか使う暇がなかったからです。ずいぶんあとになって「逆指値」という注文方法があることを知りましたが、逆指値というのは「(現在値よりも高い価格の)XXXX円を超えたら買う」「(現在値よりも安い)XXXX円以下になったり売る」という、当時の筆者の経験値では到底理解しがたい仕組みでした。上がったら買うなら今買えばいいじゃん、馬鹿じゃね?と思い、逆指値注文に近寄ることはありませんでした。
2000年頃、茅場町の渋沢シティプレイス内にあった千代田書店で「欲望と幻想の市場-伝説の投機王リバモア」という本を見つけました。その本の中で、リバモアが相場で儲けたい友人に向かって小麦が2ドルを超えたら買いなさい、というくだりがあります。今2ドル以下だから今、買ってもいいか?と友人が聞くのに対して、リバモアは2ドルを超えたら買えと答えます。今はまだ2ドルが抵抗ラインになっているが、それを超えてしまえば、今度はそれがサポートラインになる、と。
これを読んで、ようやく逆指値注文の存在意義が分かりました。「サポートラインを超えて上昇したら買いたい」「サポートラインを破って下落したら売りたい」というときに使う注文なんだと、いうことが。
下図は筆者が適当に描いた原油チャートの模式図です。50ドルから下落してきて48ドルで2回跳ね返され、48ドルにサポートラインがあるなあ、ということが分かります。筆者は買いのほうが好きなので再度48ドル付近まで下がってきたら買おうと思ったりするわけですが、よく負けるパターンとして「俺が買った時に限ってサポート割れやがって」というのがあります。むしろ、サポートを割ったら追撃売りをしたほうが勝てるのではないか?そういう人は逆指値注文を使ってサポートを割れたら積極的に追撃売りをすれば良いです。
もちろん、サポートを割れないほうに賭けて48.2ドルくらいで買い、もし48ドルを割ったら損切りしたい、ということもあります。こういうときは、47.5くらいに逆指値の売り注文を入れておけば良いです。逆指値の値は47.6とか47.7でも良いのですが、あんまり近いと逆指値注文が約定して損切りが成立した後に、ドカンと上昇した場合に非常に悔しい思いをすることになります。逆指値をいくらに入れるか?というのは練習して個人で決めましょう。人によって精神的に耐えられるかどうか、心地よくトレードできるか、というのは全然違います。筆者はロット多めで逆指値の位置を近くして負けると凹むのでロット少な目にして逆指値の位置はやや遠めにすることが多いです。一瞬だけ下がってすぐ戻るチャートを「下髭」(したヒゲ)と言いますが、下髭で「狩られて」(損切りさせられて)相場が反転する、というのはありがち。
上の例ではサポートラインを基準に「逆指値」注文を使う話をしましたが、どんなときに使ってもかまいません。
例えば夜中に原油の在庫統計が発表されると、原油価格がいきなり上か下に大きく動くことがありますよね。発表前に逆指値で「追撃買い」または「追撃売り」注文を入れておき、動いたほうについていくという作戦が使えます(下図)。上下に入れておくと、見えない速さで上下に動いて一瞬で損する場合もありますのでご注意を。数量すくなめでやや遠め、のほうが安全かもしれません。
上に書いたテクニックは原油に限らず、FXや株でも一般的です。FXであれば、雇用統計の発表時に動いたほうについていくというときなどにも逆指値が使えますね。株のデイトレだったらVWAP(出来高加重平均)の上か下に逆指値の損切り注文を入れてる方は多いんじゃないでしょうか。
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