いくらなんでも天然ガスは安すぎではないか?
アメリカの天然ガス生産量は急ピッチで増加しています。下図は天然ガスの総生産量の推移ですが、2010年から2019年にかけて約1.5倍の増加です。しかし消費量や輸出量を簡単に増やすことはできないので、恒常的にガス余りとなっていると考えられます。石油の場合はパイプラインが無い生産地からタンクローリーや鉄道で輸送することができるわけですが、ガスはパイプライン輸送にしないと割に合わないし、かといって輸送キャパシティが十分ではないという問題があります。
天然ガスが、余りまくっている影響で、わざわざ冬場のピークシーズンに向けてガスを貯蔵するモチベーションも低いため、在庫は例年と比べて妙に低いまま推移しています。この辺の理由についてはここで考察しました。
売り物として集めるのが難しいガスは元々、燃焼させるか大気放出してしまうわけですが、近年では売れるはずのガスの一部(5%超)もパイプラインの輸送能力不足から燃やさざるを得ないようです。その数量が近年、激増しています。Rystadenergyによると、2019年第一四半期における日次燃焼量は661MCfに達するとのこと。記事の図を見て頂けると分かりますが(天然ガスの主要生産地である)パーミヤンとバッケンで「余って燃やしてるガス」の合計量は、ハンガリー、イスラエル、アゼルバイジャン、コロンビア、ルーマニアの国単位の消費量より多くなっています。
これではNYMEXの天然ガス先物は当分上がりそうも無いですなあ。CFDで空売りして放置するしかないか。
PERMIAN NATURAL GAS FLARING AND VENTING REACHING ALL-TIME HIGH
Oil Producers Are Burning Enough 'Waste' Gas to Power Every Home in Texas
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