ファンダメンタルズ的な季節傾向を利用した1-2月の天然ガスのトレードプラン
2019/06/25
筆者は秋冬の天然ガスのトレードが大好きです。長期投資対象ではなく短期取引の対象としています。原油は国際情勢によって価格が左右されやすいため予想を外しまくりますが、天然ガス先物価格はどちらかというとアメリカ国内単独の事情で変動することが多く、その変動パターンの多くはファンダメンタルズに裏づけされた分かりやすい動きが多く、しかも個人レベルで入手可能な情報で攻略できる点が大きな特徴と言えると思います。
下図はアメリカの天然ガス在庫の季節パターンです。図は2014年~2018年の平均を表しております。見ての通り季節傾向は愚直なまでにシンプルで毎年4月~11月頃に在庫を積み上げて行き、積み上げた在庫は12月~3月頃に主に暖房需要で消費して行く繰り返しということが分かると思います。毎年微妙に傾向が違いますので例年の傾向と今年の傾向を比べつつ作戦を練ることになります。
下図はアメリカの大都市である、ニューヨークとシカゴの月間平均気温の推移と、アメリカ全土の天然ガス月間消費量の推移です。ニューヨークとシカゴで一番寒いのは1月で、2月になるとやや気温が上昇することが分かります。それに呼応するように、天然ガス消費量は1月にピークをつけ2月以降は減少していくことが分かります。こちらもアメリカ全土の気温予想等を見ながら作戦を練ります。
例年のファンダメンタルズの傾向を見ていくと、大雑把な傾向としては、2月の天然ガス価格は1月よりも下がりやすいだろう、ということが予想できるというわけです。実際に近年の動きを見てみましょう。下図は1/15頃から2/15頃の動きに特化したチャートです。2014~2019年で別々のチャートにしてあります。
2月に戻り高値を付ける年もありますが、多くの年では1月よりも2月のほうが安いことが分かります。また、月替わりで急に傾向が変わっている年もあります。筆者は毎年1月末が近づくと、「そろそろ頃合かな」と思って売り仕掛ける場合が多いです。2019年は1月中旬以降に戻り高値の指値が不発で売れなかったので見てるだけでしたが、2月に戻り高値があれば少量売りたいなあと考えています。CFDの場合ですと長期トレードをすると価格調整額の支払い(または受け取り)の影響で損してるんだか儲かってるんだか訳が分からなくなりますので、攻略しやすい時期だけの短期間トレードが筆者のお決まりの手法となっています。
気象庁のホームページで世界主要都市の過去の気温が分かります
NOAA(アメリカ海洋大気庁)ではアメリカ全土の気温予想をカラフルな絵で見れて便利
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2018年11月の天然ガス暴騰の件
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