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原油や天然ガスの統計

2017年4~5月のOPEC減産動向

下表はOPEC月報記載の2017年1~5月のOPEC原油生産量の推移です(リビア、ナイジェリアは減産対象外ですが、掲載しています)。単位は万バレル/日です(OPECのプレスリリースの表では単位が千バレル/日)。なおOPEC月報記載値はsecondary sourcesの値、すなわちOPEC諸国の自己申告値ではなく通信社や石油情報会社等のOPEC以外の機関が集計した値です。なお、表の一番下のアメリカの生産量は、EIAの週間統計の値の平均値(月に4回報告があった月はその4週の単純平均値)です。

1月 2月 3月 4月 5月
アルジェリア 105 106 105 105 106
アンゴラ 166 164 160 167 161
エクアドル 53 53 53 53 53
ガボン 20 20 20 21 20
イラン 378 382 379 379 380
イラク 448 441 443 438 442
クウェート 272 271 270 271 271
リビア 68 68 61 55 73
ナイジェリア 153 156 146 151 168
カタール 62 59 61 61 62
サウジアラビア 981 995 991 994 994
UAE 296 293 291 290 289
ベネズエラ 201 200 198 197 196
OPEC合計 3203 3209 3177 3180 3214
アメリカ(参考) 894 899 913 926 932

そろそろOPECの足並みが少々乱れてもおかしくないのですが、今のところ、OPEC各国はほぼ約束通りの減産を実施しています。なおOPEC全体の生産量は減産開始前の2016年12月が3303万バレル/日でしたので、2017年1~5月は約100万バレル/日の減産が維持されていることがわかります。

一方、アメリカのほうは2017年1~5月の間に右肩上がりで増産しています。2016年12月の生産量は876万バレル/日でしたので、OPECが減産した数量の半分くらいの量をアメリカが増産しているということがわかります。

ということで、アメリカ国内の在庫は高水準に積みあがったままです。2017年1月から、OPECと非OPECが15年ぶりに協調減産をしたのにもかかわず2016年よりも2017年の在庫のほうが多いのです。

EIA発表 週間在庫統計 原油(2013~2017年比較)

OPECが減産してもアメリカが増産するから需給がなかなか均衡しない
OPEC Monthly Oil Market Report(英語、2001年までの月報が見れるよ)
2017年3月のOPEC減産動向
2017年2月のOPEC減産動向
CFTC建玉明細で原油の投機筋のポジションを読む
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