原油価格が上がるとノルウェークローネも上がる?
2016/12/15
BP Statistical review of world energy June 2015によりますと、世界の原油生産量の第一位は、サウジアラビアではなく、実はアメリカです。しかしアメリカの原油の消費量はそれ以上に多いので、純輸入国でもあります。
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単なる輸出量統計だけでは純輸入国なのか純輸出国か判断できませんが、原油生産国の生産量からその国の消費量を引くことによって、その国が原油の純輸出国であるかどうかがわかります。BP Statsでは日次の原油消費量データも公開されておりますので日次生産量から日次消費量を引いた円グラフを作成してみましょう。アメリカは生産量が多いにもかかわらず消費量がそれ以上に多いので純輸入国ですから、下の円グラフ内に登場しません。
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すると、このように我々がイメージしている「産油国」のランキングが出来上がりました。一位はサウジアラビア、二位はロシア、三位はアラブ首長国連邦です。カナダドルは原油価格との相関が強いわけですが、実質的な原油輸出量が世界第五位であることからも納得できます。ノルウェーの原油生産量は15位なのですが、輸出量ではイランよりも多く8位です。こうしたことから石油産業が同国のGDPに占める割合は多く、原油価格動向が同国の通貨、ノルウェークローネに大きな影響を与えると考えられます。
実際に原油価格とノルウェークローネの関係を調べてみましょう。ノルウェーは北欧の先進国であり、変動相場制を取っています。2014年1月から2016年5月における、WTI原油つなぎ足とノルウェークローネ(対円と対ドル)の関係を以下に示します。
対円におけるノルウェークローネは、WTI原油価格と相関が低い時期があります。この時期はアベノミクスの異次元緩和で急激に円安が進んでいた時期でもあります。対ドルにおけるノルウェークローネはWTI原油価格と相関が高くなっています。
次にリーマンショックで原油価格が暴落してから、原油価格が上向き始めた時期について見てみます。2008年1月から2009年12月における、WTI原油つなぎ足とノルウェークローネ(対円と対ドル)の関係を以下に示します。
WTI原油価格とノルウェークローネには、大きな相関があるようです。原油に間接的に投資する方法としてノルウェークローネに投資する手があるかもしれませんね。
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