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原油や天然ガスの統計 天然ガス先物とCFD

天然ガス発電が急速に伸びて天然ガス相場に大きな影響を与えている

発電に用いる原料は国によってかなり異なっています。日本の場合は東日本大震災以前は原子力発電の割合が3割近くありましたが、震災後は石炭を用いる火力発電、天然ガスを用いる火力発電が増加しています(日本はアメリカからLNGは殆ど輸入していません。したがって日本はアメリカの天然ガス先物市場には殆ど影響を与えていません)。一方、アメリカの場合は原子力発電の割合はほとんど変化しておらず、石炭火力発電の割合が右肩下がりの減少、一方で天然ガス火力発電の割合が急激に増加しています。

下図は2010~2019年におけるアメリカの年間発電量の原料別の推移です。青線のCoalが石炭、赤線のNatural Gasが天然ガス、
灰色線のNuclearが原子力です。石炭はこの10年でほぼ半減、天然ガスは6割増というようになっています。

US electricity generation by source

アメリカの空調設備は、冬場は天然ガス暖房を熱源とするセントラルヒーティングが主流のため、冬場の天然ガス消費量は激増する傾向にあります。大雑把に言って夏場の家庭用暖房の天然ガス消費量は100BCF程度、冬場は800~1000BCFとなります(10倍になる)。※BCFはbillion cubic feet、10億立方フィート。

一方、夏場の冷房は日本と同様に電気を用いるために、夏場は電力需要が増加する傾向にあります。

天然ガス相場に与える影響という点で見た場合、冬場のガス消費量は夏場の10倍前後に達するため冬場は大相場になることが多いのですけれど、夏場の火力発電用の天然ガス消費量は、夏以外の季節の消費量を基準にして考えると1.5倍くらいなので、あまり相場の材料にされることはありませんでした。

U.S. Natural Gas Deliveries to Electric Power Consumers

ところが2020年の夏は、天然ガス火力発電が増加してるところに猛暑となったこともあり、過去最大の天然ガス消費量となりました。ファンドも買い越しとなり大相場となりました。

天然ガスチャート2020年4月-2020年11月

筆者の頭の中では「夏場の上げはショボイ」と思って弱気ポジションをガンガン積み増ししたのですけど、仕込むのが早すぎたこともあって、結構な金額を吹き飛ばすはめになりました。チャート見るとこんな感じで、結局秋になって下がったんですが、8月の負けを取り戻すのに3ヵ月もかかってしまった。

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