「FX」カテゴリーアーカイブ

原油の季節的傾向をETF、CFD、カナダドル等の売買に利用する(1)

長期間の原油価格の変動パターンを調べると、季節的な傾向があることが分かります。最も重要なエネルギー源である原油は、ガソリン、ナフサ、ヒーティングオイル、ジェット燃料、灯油、重油など、様々な石油製品に加工されて使用されます。ガソリンは冬場より夏場の需要が大きく、ヒーティングオイルや灯油等の燃料油は冬場の需要が大きいです。

このように石油製品の需要は季節的な変動が大きく、原油全体の需給にも確実に季節的要因が作用していると考えられます。もちろん季節的要因以外にも原油価格に影響を与える要素は数多くあるわけですが、Moore Reserch発表の過去30年以上に渡る統計結果によると、原油は8~10月頃にその年の高値を取り、12~翌2月頃に安値になる傾向が見られます。ということは原油を「9~10月頃に売り、12~翌2月に買う」という方法で利益を上げられる可能性があります。

下図は、2006~2015年における、「9月1日から翌年3月31日の原油価格推移」です。相対比較するために9月1日を100としています。9月より10月以降のほうが原油価格が安くなった年は10年間のうち6年であり、勝率という点では難があります。しかし統計的には、9月以降に積極的に買うのは避けるべきであるということが分かっていれば、2014年、2015年の秋からの原油の大暴落で原油ETF(1699、1671、2038など)や原油CFDでの被害を蒙るのは避けられたかもしれないし、CFDでWTI原油を空売りすることで利益を得られたかもしれません。

9月1日を基準としたときのWTI原油価格推移(2006年~2010年)

9月1日を基準としたときのWTI原油価格推移(2011年~2015年)

別の記事で原油価格とカナダドルは相関が大きいことを示しました。ということは原油の季節的傾向は、そのままカナダドルの季節的傾向と一致する可能性があります。下図は、2006~2015年における、「9月1日から翌年3月31日のカナダドル価格推移」です。相対比較するために9月1日を100としています。2013~2014年における、対円のカナダドルのレートは、アベノミクスによる円安の影響もあり、原油価格の季節的傾向と一致しないように見えます。

9月1日を基準としたときのカナダドル(対円レート)の推移(2006年~2010年)

9月1日を基準としたときのカナダドル(対円レート)の推移(2011年~2015年)

そこで、対ドルのカナダドルのレートに直してみましょう。対ドルのレートで見ると、カナダドルも冬場に下がりやすい傾向が見られます。Moore Reserch発表の過去40年以上に渡る統計結果によると、対ドルのカナダドルが底値を付ける時期は12月頃です。カナダの原油への影響が注目されるようになったのは近年ですが、どういうわけかカナダドルは冬場に安いようですね。FXでのトレードにこうした季節性も考慮すると勝率が上がりそうです。

9月1日を基準としたときのカナダドル(対米ドルレート)の推移(2006年~2010年)

9月1日を基準としたときのカナダドル(対米ドルレート)の推移(2011年~2015年)

原油の季節的傾向をETF、CFD、カナダドル等の売買に利用する(2)
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原油価格とカナダドルの関係を分足で比較してみた

原油とカナダドルの長・中期におけるチャート比較から、カナダドルは原油価格と相関が強いことが分かりました。では分足レベルではどうなのでしょうか。原油価格は東京商品取引所(TOCOM)のドバイ原油を、カナダドルは対円での価格を用いて比較してみます。サンプルとして選んだのは2016年6月1日です。

2016年6月1日のTOCOMドバイ原油価格とカナダドル(対円レート)の比較チャート

円建てのドバイ原油価格とカナダドル円には、分足での比較であっても、かなり強い相関が見られます。このことから原油のデイトレードの擬似的な代替品として、カナダドルをトレードすることも可能でしょう。ただし、あくまでも擬似的な代替品であり、別物であることは認識すべきではありますが。

6/1にデイトレードした場合の資金効率を比較してみましょう。大雑把な比較をするのが目的ですので、この日のほぼ高値で売り、ほぼ安値で買い戻す会心のデイトレードが成功したと仮定しましょう。

<カナダドルのデイトレード>
・証拠金計算のためのレートは少々余裕見て85円とします
・1万通貨
・必要証拠金=85円×1万通貨X4%(レバレッジ25倍で計算)=3.4万円
・84.8円で売り、84.1で利益確定した。1万通貨なので7000円の利益。
・必要証拠金に対する利益率=7000円÷3.4万円=21%
・元手100万円でフルレバ勝負の場合の利益=約20万円 (29万通貨売り建てしたと仮定)

<TOCOMドバイ原油のデイトレード>
・先物1枚(数量50キロリットル)あたりの証拠金は取引会社によりますが15万円程度です。
・32400円で売り、31850円で利益確定した。利益は(32400-31850)×50=27500円。
・必要証拠金に対する利益率=27500円÷15万円=18.3%
・元手100万円でフルレバ勝負の場合の利益=約16.5万円 (6枚売り建てしたと仮定)

なお、上で挙げたようなフルレバレッジ勝負の例は、資金効率比較のために挙げた例であり、実際にこのようなトレードを行うのは危険ですので、リアルマネーでの実戦トレードにおいては十分な余力を残して望むべきです。想定外の相場の急変動はよくあること。短期勝負であってもレバレッジのかけすぎはやめましょう。ポジションを持ったら、デイトレであっても、かならず逆指値のストップロス注文(いくら以上、逆に動いたら損切りする、という注文)を入れておきましょう。FXも、商品先物も、フルレバで売買すると同じくらい危険だということが上の例から分かりますよね。

ところで分足チャートの比較例が1日だけでは、「たまたまその日は相関が強かっただけでは?」と思うかもしれません。私もそう思いました。別の日での分足チャートの比較例を以下に示します。この日も原油価格とカナダドルは相関が強いことがわかります。「全然相関してない日の分足」は、探しております。かなりお待ち下さい。

2016年2月9日のTOCOMドバイ原油価格とカナダドル(対円レート)の比較チャート

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原油価格が上がるとカナダドルも上がる?

カナダドルの見通しを考える上では、カナダの政策金利等の動向だけでなく、カナダドルと相関の高い原油価格の動向に注視したほうが良いと言われています。例えば金(価格)が上がると金鉱山を持ってる会社の株価が上がりますよね。金価格高騰を材料に住友金属鉱山の株価が高値を追っていた時期がありました。同じように考えると、「原油埋蔵量が多い国は、原油価格が上がると、通貨の価値が上がる」可能性は十分ありえます。

BP Statistical review of world energy June 2015に世界の原油の確認埋蔵量の数値がありましたので、見やすくするために円グラフ化してみます。グラフには%表記されていますが、マウスポインタを合わせると数値が見れます(単位は10億バレルです)。グラフに示した通り原油埋蔵量の最も多い国はベネズエラであり、全世界の確認埋蔵量の17.5%を有しています。2番目はサウジアラビアで15.7%、3番目はカナダで10.2%です。つまり世界の原油の確認埋蔵量の約1割をカナダが持っているということになります。さすがにこれだけ持っていれば原油価格がカナダドルに影響を与えていてもおかしくありませんね。

[pieChart vaxis=”{title: ”}” haxis=”{title:”}” title=”世界の原油確認埋蔵量”]
[‘国名’, ‘原油確認埋蔵量x10億バレル’],
[‘ベネズエラ’, 298.3],
[‘サウジアラビア’, 267],
[‘カナダ’, 172.9],
[‘イラン’, 157.8],
[‘イラク’, 150.0],
[‘ロシア’, 103.2],
[‘クウェート’, 101.5],
[‘アラブ首長国連邦’, 97.8],
[‘その他’, 351.6],
[/pieChart]

おっと、その前にベネズエラの通貨が先ですね。しかしベネズエラの通貨ボリバルは管理相場制となっている上、最近、1ドル=6.3ボリバルから10ボリバルに切り下げられており、またニコラス・マドゥロ大統領が経済緊急事態を宣言するような騒ぎになっていることもあり、原油価格との相関を調べてボリバルに投資するのはリスクが高すぎます。

では、サウジアラビアの通貨リヤルはどうでしょうか?こちらは固定相場制を取っており、1ドル=3.75リヤルとなっていますので対ドルでは一定値のはずなのですが、切り下げ観測が浮上しています。このような状況を勘案するとリヤルの価格は、原油価格への感応度云々でなく、ドルペッグ制(ドルに対する固定相場制)が持続可能な政策であるかという点が焦点になっていると思われます。

とすると次はカナダドルです。カナダはご存知の通り米国の隣にある先進国であり、変動相場制を取っています。とすると、原油価格に対しての感応度が高い可能性がありますね。実際、どうなのか調べてみましょう。2015年1月から2016年5月における、WTI原油つなぎ足とカナダドル(対円と対ドル)の関係を以下に示します。

2015年1月~5月におけるWTI原油先物とカナダドル(対円レート)の重ね描きチャート
2015年1月~5月におけるWTI原油先物とカナダドル(対米ドルレート)の重ね描きチャート

WTI原油価格とカナダドル価格には、大きな相関がありそうに見えます。もう少し期間を広げてみましょう。2014年1月から2016年5月における、WTI原油つなぎ足とカナダドル(対円と対ドル)の関係を以下に示します。

2014年1月~2016年5月におけるWTI原油先物とカナダドル(対円レート)の重ね描きチャート
2014年1月~2016年5月におけるWTI原油先物とカナダドル(対米ドルレート)の重ね描きチャート

期間を広げてみると、対円におけるカナダドルは、WTI原油価格と相関が低い時期があります。この時期はアベノミクスの異次元緩和で急激に円安が進んでいた時期でもあります。対ドルにおけるカナダドルはWTI原油価格と相関が高くなっています。
次にリーマンショックで原油価格が暴落してから、原油価格が上向き始めた時期について見てみます。2008年1月から2009年12月における、WTI原油つなぎ足とカナダドル(対円と対ドル)の関係を以下に示します。

リーマンショック時におけるWTI原油先物とカナダドル(対円レート)の重ね描きチャート
リーマンショック時におけるWTI原油先物とカナダドル(対米ドルレート)の重ね描きチャート

WTI原油価格とカナダドルには、大きな相関があるようですね。原油に間接的に投資する方法としてカナダドルに投資する手があるかもしれませんね。カナダドルの対ドルレート(USD/CAD)のFX取り扱いがある大手FX会社は例えば、DMM FX、ヒロセ通商、外為オンラインなどがあります。ヒロセ通商はノルウェークローネの取り扱いもあります。

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