2017年12月、CBOEとCMEがビットコイン先物を上場
2017年12月中旬に、世界最大の先物市場を運営するCMEと、VIX先物で知られるCBOE(シカゴオプション取引所)に、ビットコイン先物が上場されました。既に、bitFlyer LightningやBitcoin Mercantile Exchange(BitMEX)ではビットコインの先物取引が行われておりますが、今般、米国系大手取引所でのビットコイン先物取引が始まったインパクトは極めて大きいものになる可能性があります。なぜなら大手金融機関はビットコインのようなデジタル資産に投資することはコンプライアンス上、難しいけれども、公式な取引所に上場されている先物、ETF、ETN等に投資することは容易だからです。
GMOクリック証券CFDでトレードされている方は「米国VI」や「米国VIブル2倍ETF」などの名称を目にしたことがあるかもしれません。これの元になってる金融商品がCBOEのVIX先物です。米国VIブル2倍ETFのCFDは具体的にはUVXYというETFの変動を売買するCFDですが、UVXYはVIX先物を「総資産の2倍分」買い持ちすることで2倍変動する仕組みになっています。またニューヨーク市場のETFの中で取引量が多いVXXもVIX先物から作られていますし、東証の1552(国際のETF VIX短期先物指数)もVIX先物から作られているはずです。
何を言いたいかというと、流動性のある公的なビットコイン先物市場があれば、その先物を使ってETFを作ることができる、というわけです。もし証券市場にビットコインのETFができたらどうなると思いますか。先物やCFDには見向きもしなかった一般投資家層が豊富な資金で買って来る可能性が高まるだろう、ということです。CNBCニュースによると、既にレバレッジ型ETFファンドの計画があるようです。
取引所 | CBOE | CME |
名称 | CBOEビットコイン先物 | CBOEビットコイン先物 |
価格表示 | 1ビットコインあたり米ドル | 1ビットコインあたり米ドル |
上場日 | 2017/12/10 | 2017/12/18(12/18扱いの12/17の夜間取引から開始) |
先物1単位あたり契約数量 | 1ビットコイン | 5ビットコイン |
ティッカーシンボル | XBT | BTC |
必要証拠金比率 | 40% | 35% |
最終清算価格 | ジェミニ取引所における公式オークション価格。端数は0.01単位で最も近い数値 | 取引最終日のCME CFビットコイン参考基準レートBRR(CME CF Bitcoin Reference Rate) |
最終清算方法 | 差金決済 | 差金決済 |
取引時間 | 日曜17時~月曜15時15分、月曜から木曜は15時30分~翌日15時15分、米国標準時間(CST) | 日曜17時~月曜16時、月曜から木曜は17時~翌日16時、米国標準時間(CST) |
ブロック取引 | 可 | 可 |
建玉制限 | 買建は5000枚、売建は1000枚 | 当月に満期を迎えるものは1000枚 |
公式な取引所ということもあり、将来的にETFの原資産として使いやすいような商品設計になっています。例えば最終決済方法は、価格操作のしにくい清算価格を用いた現金での差金決済であったり、ブロック取引が可能になっている点などです。
ただし個人投資家がトレードするという点で見ると、必要証拠金比率が35~40%と高いためにレバレッジを効かせにくいことや(破産リスクは下がりますが)、他の先物取引と同様に、取引不可能時間が多いという点が問題になります。毎日取引中断時間があり、銀行休日は取引ができず、土曜日も取引ができません(取引再開は日曜夕方から)。