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参考書

参考書

書籍名:コモディティ・ファイナンス
著者:エリエッテ・ジュマン
翻訳:野村證券・ 野村総合研究所 事業リスク研究会

コモディティに関する教科書。トレードするための直接的なアイデアの本ではないが、原油、天然ガス等のエネルギー先物だけでなく、金属、農産物、畜産物等についても一通り説明があり、順鞘(コンタンゴ)や逆鞘(バックワーディション)に関してしっかりとした解説がなされています。難しそうな式が散見されるものの、実データに基づく見やすい図や、概念図も挿入されていることから、式はすっ飛ばして読んでも問題ないと思う。日本で出版されたコモディティ関係の教科書としては最高ランクに位置づけられる良書だが、一般人にとっては難しい内容が多いので万人向けの本ではないのは間違いない。コモディティのトレードに本気の方、特に海外市場のコモディティをトレードする人は家に一冊あると良いと思う。英語文献でしか見ることのできない相当具体的で細かい話まで書かれている(例えば、北海ブレントの受け渡し適格原油の名称なんて、Googleで日本語で調べても分からないと思う)。しっかし、この本はあんまり売れてないだろうなあ。ところで序文を書いたのは「まぐれ」で有名なナッシム・ニコラス・タレブでビックリ。タレブの師匠がこの本の著者なんだそうです。

書籍名:書籍名:コモディティ・デリバティブのすべて
著者:北方宏之、濱宏章、 佐藤隆一

これもコモディティに関する教科書と呼べる本。「コモディティ・ファイナンス」と比べると説明が平易で式が少ないのが特長。日本人が書いているだけあって日本へ輸入するコモディティのヘッジに役立つよう、日本関連データや商習慣に考慮した説明が豊富。原料を海外から輸入し、しかもデリバティブでヘッジしている企業がどのようにデリバティブを用いているかという例が多く掲載されている。コモディティに投資する上で必ず理解しなければならない順鞘(コンタンゴ)や逆鞘(バックワーディション)に関する説明は図を使って説明されていて分かりやすい。「コモディティ・ファイナンス」よりページ数が少ないから中身が薄いかというと決してそんなことはなく、日本でのコモディティデリバティブの実務経験豊富な者が読者の理解が進むように、分かりやすく書いたのだと思う。プラッツの価格値決めに関して市場参加者がかけひきする話とか、財務省貿易統計の原油統計データの話など、他の書籍には載ってないだろうなという話もある。

書籍名:馬券裁判“本人”が初めて明かす! 「馬券裁判 ─競馬で1億5000万円儲けた予想法の真実─」
著者:卍

私(この本の書評を書いてる私ね!)は前日の晩にニューヨーク市場の原油がX%変化し、更に為替がY%変化し、更に225先物がZ%変化した場合、国際帝石の株価が何%変化するかを分析し、統計的傾向を調べることによって勝率を上げれるんじゃないか?と考えて最小二乗法で回帰分析をしたことがあります。そのような統計結果を用いてシステマティックなルールを構築してトレードをしている人にとっては、そうした思考回路で競馬を本気でやったらどうなるか?ということに興味があるかもしれない。この本は競馬の本であって株の話は出てこないが(筆者が馬券の利益を投資信託で損した話くらいしか出てこない)、システム売買的思考で徹底的に統計データに基づいて全力で競馬で複利運用したらどうなるか?を実験した男の物語である。システム売買に興味がある人は、騙されたと思って一度目を通してみたらいかがでしょう。分野は違えど、新たな発見があるかもしれないよ。

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